当番ノート 第62期
劇場で映画を観ることが好きだ。もっというなら、鑑賞直後に映画パンフレットを読むことが好きだ。 連載の最後は私が制作に関わった2作品。書籍デザインがメインの業務なのですが、実はいくつか本当に映画パンフレットを作っていました。 『ゾンからのメッセージ』 20年前から謎の現象「ゾン」に覆われた夢問町。かつてゾンの向こうへと旅立った人は帰ってくることはなく、今ではゾンの向こう側へ行こうとする人もいなくなり…
長期滞在者
4月、5月と出張が続いている。 思わぬ出会いがあったり、緊張感と達成感が背中合わせだったり、ゆっくりする時間が持てていなかったり、逆に出張のテンションよろしく休日も有意義に使えたりと、よいか悪いか分からないまま、1日1日がどんどん過ぎていく。 瀬戸内には瀬戸内の時間が流れ、八ヶ岳山麓には八ヶ岳山麓の時間が流れ、三河には三河の時間が流れる。 出張の往路は落ち着かず、帰りは気が大きくなる。 忙しさにか…
長期滞在者
15年間維持した自宅の暗室を、とうとうなくすことにした。15年とはいうものの、フル稼働していたのは最初の5~6年くらいで、最近は年に1~2度使う程度になっていた。年に数度しか使わないなら、つぶしてしまって必要なときはレンタル暗室に行けばいい。頭ではわかっていたが、実行するとなるとなかなか決心はつかなかったのだ。 たった3畳の狭い暗室で、四切までのプリントしかできなかったが(相当無理して半切まで)、…
当番ノート 第62期
劇場で映画を観ることが好きだ。もっというなら、鑑賞直後に映画パンフレットを読むことが好きだ。 連載で取り上げている作品の公開年から察している方もおられるかもしれないが、私が劇場に足を運ぶようになったのは最近のことだ。記録をつけはじめたのは2016年あたりからで、それ以前はことさら気になった作品を観に行くことはあれど、足繁く通う習慣はなかった。きっかけは、働きはじめてお金に余裕ができるようになったこ…
当番ノート 第62期
劇場で映画を観ることが好きだ。もっというなら、鑑賞直後に映画パンフレットを読むことが好きだ。 だいたい年間に30〜35本くらい観るので、たまに「けっこうお金がかかりません?」と言われることがある。いやいや、と首を振ってはいるのだが、考えてみたらそれなりに使っていると思う。パンフレットが複数バージョン出ているとたいていは特装版やら豪華版やら、高価な方を買うことにしているし。そちらの方が内容に即した付…
Do farmers in the dark
セルジィ、ある一日(後編) 前回までのあらすじ〜 ネバネバ粘菌と粉塵やオゾンでできた良く熟し腐ったアパートに住む、中年の禿げて太ったすえた匂いのするハンサムなバッポス。禿げかけで頭皮から腐った桃の匂いのする長身小太りな、美人妻のベルンパスと一緒に住んでいた。バッポスはセルジィが大好き。(セルジィ=ピッケル型固形コニャックの事) この日もバッポスはセルジィにシロップをかけて、机の上で何時間もかじって…
当番ノート 第62期
劇場で映画を観ることが好きだ。もっというなら、鑑賞直後に映画パンフレットを読むことが好きだ。 パンフレットを収集して困っていることがある。保管方法である。はじめのうちは本棚に収納していたのだけれど、判型がとにかくバラバラでちっともきれいに収まらない。縦型のA4やA5などのわかりやすいものであればまだいいが、#1『花束みたいな恋をした』などの横長ものも、#3『永遠に僕のもの』のようにそもそもが小さい…