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2F/当番ノート

オリンピック

当番ノート 第3期

今年は4年に一度のオリンピックイヤー。
また寝不足の毎日がやってきます。
そこで今日はオリンピックにまつわる話をしようと思います。

これまでのミウは、
「ちゃんとコレしとかんなんよ!」
「アレもうしたん?」
と自分がやらなければいけない事をいちいちパパやママに言われながら
やってきました。

言ってみれば定められたことを行なう
「規定演技」です。

しかしオリンピックの競技の中には
この「規定演技」のほかに
「フリースタイル」というものがあります。

つまり、しばりのない自由演技。
何をするかは自分次第。
技の組み合わせも自分次第。
自由だからこそ難しい。
しかも競技によっては
芸術点というチェックポイントもあります。

人生もどう生きて行くかは自分の自由。
スマートに生きて芸術点を積み重ね記録に残る生き方を選ぶのか、
泥臭く、人間臭く、記録よりも記憶に残る生き方を選ぶのか。
まさに人生は「フリースタイル」。
だから難しい。

そんなこんなでこれから高学年になっていくミウには、
ちゃんと一人で何でもできるように
あんまり口を出さないでおこうと思います。
そして「人生のフリースタイル」の第一歩を踏み出そうとしているミウが
いつかの日か「人生のフリースタイル」で金メダルを穫り、
「なんも言えねぇ」以上の名言を残し、
表彰台ではテレビカメラではなく僕が構えたホームビデオカメラに向かって
首からぶら下げた金メダルをはみかみながら噛み、
わが家だけが感動と涙の渦に巻き込まれる…。

そんなことを想像しながら
「ミウが描く人生の放物線は、栄光への架け橋だ~」
と、いつものように換気扇の下でニヤニヤとひとりごちながらタバコをくゆらしていると
リビングからオリンピックの歓声に負けないくらいの
ミウとカンナの叫び声が聞こえてきました。

何事かと振り返ると、
ミウがカンナを突き飛ばすは、
カンナがミウの髪の毛を引っ張るはの大ゲンカ。

ミウにケンカの原因を問いただすと、
ミウが使ってたおもちゃをカンナが「貸して」も言わずに
勝手に取ってった、とのこと。

勝手に取ってくカンナも悪いけど、
だからと言って、年齢差、体格差を全く無視して本気で突き飛ばすミウも悪い。
だからと言って、突き飛ばされた仕返しに妹だから何をしても許されるぜ!スピリッツ全開で
ミウの髪の毛を思いっきり引っ張るカンナはもっとタチが悪い。
だからと言って、髪を引っ張られた仕返しにカンナの腕を噛むのはプロレスでもれっきとした反則行為。
だからと言って、さらなる仕返しにコードレスホンを片手に何かを企む天使のような悪魔の笑顔のカンナは
スタンリー・キューブリック監督の映画シャイニングのジャックニコルソンのその表情以上に怖過ぎる。
そんな二人の間に入って仲裁するかと思いきや、
逆に面白がってカメラを構える自分はもはや親として失格。

今年は4年に一度のスポーツの祭典、
オリンピックイヤー。

「人生のフリースタイルで金メダル!」の前に、
オリンピック精神に逆行するような、
品性もルールもマナーもへったくれもない
ミウ、カンナ、そしてジブンは深く反省し、
「これからは、家族の間でもスポーツマンシップを誓います!」
と心の中で宣誓した、そんな週のはじまり月曜日。

ガンバレ、ニッポン!

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