このあいだ’escapesという雑誌で穂村弘さんが真夜中のコンビニの話を書いていた。
その話にすごく共感してしまったのだが、
僕は真夜中のコンビニが好きだ。
それも夏の終わりの少し冷たい空気のなか、誰かと一緒に近所のコンビニまで歩いていくのが好きだ。
そもそもなんで好きなのか考えてみるとあれは小学校5年か6年生のときのこと
夏休みももうすぐ終わる8月後半、家族5人は特になにをするわけでもなく日付が変わったあとも起きていて
不意に誰かが
「コンビニ行かない?」
なんて言ったんだと思う。
それでみんなで100mも離れていないコンビニまでトロトロと歩いていき、
カップのアイスなんかを買ってちょっとしたことを話したり笑い合いあったりしながら食べた。
たったそれだけのこと。
でもそれより前もそれより後もそういうことは1度もなかった。
とても素敵な夜だったと思う。
きっと家族誰ひとりとして覚えていないかもしれないけれど
今でも誰かと夜中にコンビニへ歩いていく度に思い出す。
なんだか家族みたいになった気分になるのだ。
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はじめまして。
10月から火曜日担当のもりうまこと森勇馬です。
基本的に写真を撮る人なのですがここでは短い映像と短い言葉でなにか見せられたらなと思っています。
全9回よろしくお願いします。