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2F/当番ノート

湯気

当番ノート 第13期

湯気1
湯気2
湯気6湯気3
湯気5
湯気4

それは湯気だ。

熱を帯びた時間は姿を変えて、湯気になる。
熱ければ熱いほどたっぷりとそれは湧く。

視界をぼんやりとさせ、はっきりとは見えなくなる。
なんとなく、別世界に連れて来られた気分になる。

つくることは、その湯気をぐるぐる巻き取って1つものに見せること。
何かしらのストーリーを連想させること。フィクションでも、ノンフィクションでも。
自分や誰かの、目や肌や心にすーっと染みこませることができたなら、
こんな自分にも何かできるのかもしれない、と思える。

そうやって湯気はきちんとからだに染み渡っていき、
再びふつふつと熱くなって、私に力を与えてくれる。

◯

さて、つい忘れがちになってしまうことをひとつ、きちんと思い出そう。

私にいちばん必要なものはその湯気の下にあるものだ。
ふつふつとした時間を過ごすことができなければ湯気はたたない。

種明かしをするようで、
それは無粋なことに感じられるのでしょうか?

自分の思いから切り離して、細かく切り刻む。
色を塗り替えて、表に出す。それ以上の野暮なことはしない。

でもそれは
自分自身で口を塞いで体をぐるぐる巻にして、身動きをとれなくするようなことに思える。
おしゃべりな私には、なかなかできない。

そこに思いや物語が存在するからこそ、写真を残すことが好きなのです。
撮ることが好きなのではなく、残すことが好きなのです。
だからあえて、種明かしをします。

湯気7
湯気8
湯気12湯気9
湯気11湯気10

1枚1枚それぞれに、熱を帯びた物語がこもっている。
湯気で覆われて別物に見えがちだけれど、はっきりと写った2枚目が我に返してくれる。

もともとの形を崩し、細かく刻んで、色を塗り替えても、
物語それぞれへの愛着を無視することはできない。

撮るために、熱い時を過ごすわけではない。
熱い時を過ごすから、残しておきたくなるのだ。私の場合は。

ここまで記してきたことは、これから記すことがあるからこそなのだ、と
きちんとここで予告しておこうと思います。

かみはら えみ

かみはら えみ

パンくずのようなものを落としながら歩いています。
紙の写真が好きです。
社会に揉まれ、順調に…過去の自分に鼓舞されています。

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