その日の出来事を日記に残しておくような感覚。
楽しかったことや嬉しかったことは、
思いついただけたっぷりと。
見た景色や好きなもの、美味しかったもの、
きれいだなあ、かわいいなあ、
と思ったものも、たっぷりと残す。
悲しかったことや辛かったことは、
その日の気分で残すか残さないか決める。
けれど悲しい思い出というのは、
楽しい思い出よりもしつこく記憶にこびりついてしまう質なので
まあわざわざ残す必要もないかなあ と、大体は残さない。
とても単純な、
よくある形で、
私は写真を残している。
本当は写真ではなく、
文章でも絵でも、音楽でも映像でもいいのかもしれないけれど、
今の私はいくつかの理由により、写真を選んでいる。
そうして撮りためたものを時々見返して、
くすくす笑ったり、にやっとしてしまったり、
ああこの日にもう一度戻りたいなあ、なんてぼやいたりする。
◯
さて、
ぱらぱらっとめくってゆく中でも、
一瞬で きゅっ と感情を持って行ってしまう一枚に時々出会う。
そのほとんどが、自分ではない誰かの撮ったもので、
“対象との関係が生々しく写っているもの”あるいは“そう見せているもの”
言葉にすればそんなふうに言い表せる写真だ。
そして、そんな写真は自分の撮った日記の中にも紛れ込んでいたりもする。
滅多にはないけれど。
他のページとは少し違って見える。
“贅沢な時間を過ごせた日の日記”
ちょっと気分が浮ついていて、どきどきしていて、
頭はボーっとしている。
そうだ、今日はいつもとは違う色の、、、
真っピンクのペンでかいてみよう、、、
多分、そんなかんじのことを思いながら時間をかけて書くのだ。
忘れた頃に読み返せば、また
くらり と、その瞬間に落とされる。
ちょっと恥ずかしくなったり、それでも自然と心が緩んでしまったり、
ああ、なんてものを残したんだろう、、と
いても立ってもいられなくなったりするページだ。
きっと、そうゆう日記は多いほうがいい。
たとえいつか、
押入れの奥に封印してしまいたくなる日が来るとしても。