賞賛と思考停止と溢れそうなコップの水
勢いと妥協と苛立ちと諦めと全力で喧嘩してもその水は掬う
えぐれた頬骨饒舌の疲労がそこに溜まるのだとしたら色気と呼んでみよう
ものまねのものまねの反復練習で自分を再確認
欠けまくった歯に沢山の欲望を溜め込み舌で開閉バランス
あったのか、新しい朝なんて、
引きちぎられた性愛のまとわりついた毛布猫も食べない
アレルギーでも見えないものでも精神でもない、そこにある不安が不安として
そっと
差し出される
赤い涙みたいに
興奮と打算と自意識の勇気と
よれよれの紙⇒哀しい紙くず
と
収納型乱反射して光と光音と音の探りあい飼わし合い飼いならし合い愛になる
汚い尻を向き合い誰かの判定を待っている美しい特別な瞬間を待っている
鼻歌を歌うように交わした約束は電波で迷子になってしまう
隠れ家に感動しなくなったのは本当にそこが永遠じゃないからこそ
適切に物理的に繋がったりとりとめもなく拒絶したり、
でも、
するっと現れたのは、
完璧に自然に街に馴染んでるとしか言いようがなく、
街なんです、存在が、あなたがいて、その街が
早口言葉をまろやかに電子辞書のように鼓膜に叩き込み、ます
心配や動揺や愛情についての言及はもう終わりました。
空白を携えた悲しい箱はただただ空虚でわずかな隙間から愛情をかすめ取ろうとする
名づけられない感情はひたすら曖昧で気分であり充満されることもない
その箱には空白しかない蓄積されない事件を刹那と手を組んで毎日をやりすごす
おかしみの歌を歌いながら空虚というものはそれでももう涙を流すことを許さない
決して堅い思想をまとう要塞にはならないどこまでも漂うぺしゃんこが透けて見えるその箱に
未来なんて言葉を与えはしないけど空白であることに畏怖であり続けることの感情を愛し続けるだろう
ためしに絶望や挫折や孤独ににその箱を被せてみたらお芝居はおしまいですと降参するのか
簡素な噴煙はさまよい悲しみが哀しみと溶け合い舞いあがり落ちていく
確かにあったはずの時間に逞しい捏造にあっけらかんと日常は気後れもせず充実した肉体は
ただただ眩しくて何もなくてただただ罪であって生産もされなくてそれでもどうしようもなく美と呼ばざる終えない
贈りものがあります、いや自分は自分だけです、いや自分は自分どうでもいいんです
わからないところでわからなく生きようとすると不安で恐怖なんですわからない希望は
絶望と希望の振り子でありそれでも目のまえを漂う知らないを捕まえたくて、
だから
目のまえのあなた見ていいですか
はい、いただきました、知らない自分いただきました、よ、贈り物
いただいたつもりで何か悪いのか浮ついた心を
誤解されるくらいのことをしないとそんなもの得る権利はあるのだろうか
ひとときの狂騒はひとときが笑いながら中毒を手招きして添い寝している
最上の笑顔等しく頂戴
花だったらいくらでもある顔色伺うくらいの余裕はまだある狂騒だから
いま言ったの本当に気分だからもうおそいの気分だって知ってるから
笑顔受信倍増計画に孤軍奮闘はそのひとつの調味料そうであるのだという
当たり前の風景として安心して見るということに専念させてくれる
内部に深遠にでなく、新雪の表面を深夜ひっそりと
なだらかに風を切る
無防備は実は一番の振り付けじゃないのか
今日だけは疲労という言葉好きだよ
忘我の果ての鎖骨の湖に
神殿の財宝ではなくそこから見上げる
空
青空
手をかざさなくてもわかる
そんなことしない
平吹 正名