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2F/当番ノート

パソコンの前に座って 第4回

当番ノート 第22期

夏も終わりに近づき、夜も少し涼しくなりましたね。皆様、元気にお過ごしでしょうか? 僕はというと、ここ数日食中毒で寝込んでしまいました。いや〜、えらい目にあいました。

第4回となる本日は僕のもう一つの活動である、絵と音と言葉のユニット「repair」についてご紹介させていただけたらと思います。

「repair」は先に言った通り、「絵」と「音」と「言葉」を使った「芸術活動」を目的としたユニットです。メンバーは相方の谷口さんと僕の二人で、言葉とピアノが谷口さん、僕は絵とトロンボーンを担当しています。演奏の時のスタイルは、プロジェクターで大きく絵と言葉を映し、その前でピアノとトロンボーンで演奏します。また個展も開催しで作品を発表することも多く、一つのストーリーを作り、個展最終日に演奏会で締める流れで活動しています。

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表現をするために作るユニットにしたいという事で、何を表現したいかテーマを話し合ったところ、作る原点にかえりたいや、クラシカルな曲をしたい、古典的なのに新鮮な感覚で作りたいし、聞いてもらいたい。何か自分たちの中でこわれてしまったものを探しにいくようなイメージが出来上がり、このユニット名になりました。そして 「こわれたら はじまり」をテーマにしました。

僕は絵を描き始めるよりもバンド活動の方が長く、僕と谷口さん両方ともこれまでに2つのバンドを経験しています。初めに組んだバンドは8人組、そこから4人抜けて4人組、そしてそこから2人抜けて現在の形になりました。なんだかこう文章にしてみると、2人だけ取り残された感が強いですね。笑 バンド活動の頃から漠然と絵が描きたいとずっと思っていましたが、バンドが解散したことをきっかけに、「2人でできることを全部やってみよう」と思い、ここで本格的に絵を描くことを決意しました。それが5年前ほど。

第1回目の記事でも書きましたが、絵を本気で描くからには「仕事」として成立するために「デジタルで描く」ことを決めましたが、当時からデジタルイラストレーションでできる「芸術活動」についても考えていました。その1つの形がこの「repair」です。「repair」を結成して、さあ動き出すぞと意気込んだものの、初めはバンド時代に当たり前のようにいたベースとドラムが抜け、急にピアノとトロンボーンだけで演奏してもどこか寂しさが残り、描き始めた絵もお見せできないほどひどい絵で、あれ?あれ!?ってなっていました。そこから試行錯誤して、さあ動き出すぞーってなるまでに3年ほど経っていました。

でもこの3年間の引きこもりのような時間はやっぱり大事で、ゆっくりと自分たちの「芸術活動」について考えることができました。言葉がないと絵が描けず、絵がないと言葉が綴れない。音楽もそう。「絵」と「音」と「言葉」、どれか一つでも欠けると作品を作れないような気がしています。

「repair」の作品で最近多い作り方は「ストーリー」を作るということ。何かテーマが決まったらそこに「物語」を付け、その物語に沿って「絵」や「言葉」、「音楽」を付けていきます。なんだか映画と似ているなーと思い、今はライブに来てくれたお客さんが、1本の映画を観たような印象を持ってもらえるのを目標にしています。

これは仕事にも活きていてブランディングに似ているなーと思いました。1つの商品にストーリー性を持たせ、そこから派生するものを創り上げていく。そうすると自ずとまとまりが生まれて、コンセプトがしっかりしたものが創れるなあと思います。

ですが、やっぱり課題も残ります。今創っているようなストーリーを発表しても、突然読まされた方はポカーンとしてしまうかも。何かいい意味で「出落ち」があり、紐解いていくと深いところまでたどり着くような…。
「絵」と「音」と「言葉」を使って、それぞれが有機的に結びつく作品(←これ、gallery yolchaのイルボンさんからのアドバイスです)を創っていけたらと、今後も試行錯誤の日々が始まります。

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兵庫県・丹波にあるカフェ「ロック製作所」にて開催された個展「ある惑星への設計図」の演奏会前。ある惑星に向かうために色々な装置をつくる主人公の物語を作り、個展会場をその主人公のアトリエ風に彩りました。キャンドル等の空間演出を「ka–ji–」さんにお願いしました。

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repairの活動などはこちらでもご紹介していますので、よかったら見ていただければ幸いです。
repair ブログ → http://repair-trom.blogspot.jp/
facebookpage → https://www.facebook.com/repairart
視聴はこちら → https://repair-art.bandcamp.com/album/pianoscream-2

最後に宣伝だけすいません。

repairは2ndアルバム「IANOS」を最近作りました。写真は初回100枚限定版。A3ポスター5枚入りをロウ引きされた封筒に入れています。「IANOS」とは架空の惑星の名前。「ある惑星への設計図」の「ある惑星」とはこの「IANOS」の事で、個展最終日はこの「IANOS」の発売記念演奏会を行い、「IANOS」に到着したイメージで、会場にka–ji–さんの光の演出で星空を創ってもらいました。
このアルバム、どこかでお見かけした方はぜひ手にとってみてください。

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akira kusaka

akira kusaka

イラストレーター&グラフィックデザイナー。repairというユニットでも活動中。絵とトロンボーンを担当。

Reviewed by
白水 麻耶子

そのピアノとトロンボーンのシンプルでいて伸びやかな音、
架空のくにやひとやもりやほしが動き出す軽やかさ。
「こわれたら はじまり」repairの寂しさの中に、絵と音がささえあう不思議なバランス。
ものがたりがうごきだす。
最初の一音は、
最初の一筆は、
同時に置かれて平行線、
時に混じり合って波打って、
最後は解け合って分かち合って、深い暗闇に戻って行く。
また最初の一音、一筆が置かれるまで。

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