いちご、
好きだったな
スーパーの青果コーナーで、
綺麗にパックされたいちごの前に立っている
買ってもひとりじゃ食べきれないし、
それなりに高いし
ああでもひと齧りしたいな
いちごいちごいちご
えっとまあいいや、他のものカゴにいれてからまた来よう
肉とかたまごとか缶チューハイとか
リズムよく手にとっているうちに、いちごのことなんかすっかり忘れてしまった。
帰りみち、道の端。
日陰にのこったわずかな雪は、もうすすけてつまらなくなっていた
なんとなくヘコむんだよなー
だってなんか子どもたちには見せてはいけないものみたいだし
子どもたちに、夢を!
家に着いて、
冷蔵庫に買ったものつめてるときにようやく気付く
いちご忘れてんじゃん
で、そのときなんかもう一個考えがとんでさ
なにこれ連想? ひらめき?
いやひらめきでは ないか
いまの私にとって
いちごって、
1万5千円のことでした。
ホ別ゴアリいちご
ひやかしいらない
、お願いしまーす。
掲示板に書き込むとさ、だだだだだって
ほんとにiphone壊れたんじゃないかって思うほど連絡がきます。
そのなかから、まあそれなりに私の美観にあった人を選んで返信。
「きみの写メ送って攻撃」をささっとかわしながら、ラブホテルにトライ
みごと1万5千円を勝ちとります
さっき汚い雪は子どもに見せられないとか言ったけど撤回
見せられないのは私だ
この部屋さ、
むかしはこんなに汚い人間じゃなくて
もうすこしまともな人間が暮らしていました
ふたりで暮らしていました
「ことばはね、ちぎってつかうんだよ。」って、おしえてくれた
あの人といると一からぜんぶ話したくなってしまって
とりとめもなくなってしまっていたんだと思う。
あの人のあとの人たちはみんな、あの人みたいじゃなかった
掲示板の男の人もみんな、あの人みたいじゃない
わたしも少しずつ、ちぎるのうまくなった
ホ別ゴアリいちご
ひやかしいらない
、お願いしまーす。
うまくなったと思うよ。