こんにちは、珈琲子です。2回目ですね。このアパートメントの中で、次にどの本を紹介しようかと考えはじめるとわっくわっくです。私の文章は「書評」というより「本の説明」もしくは「紹介」に近いので(全然本を評していないので)、気軽に読んで、興味が湧いた本を手にとってもらえたらと思います。
第2回 インターネット的 糸井重里
インターネットは人と人、人の考えや思いをつなげるだけですから、これによって社会が豊かになっていくかどうかは、それを使う「人」が、何をどう思い、どんな考えを生み出すかにかかっているのではないでしょうか。ー本文より抜粋
インターネットという新しいメディアは、大きく世界を変えました。一瞬で知りたいお店、言葉、場所を調べることができるようになり、誰かの意見や評判といった、他人の声もすぐに手に入ります。インターネットが生まれたことによって、「知識を知っている人」ではなく、「欲しい情報を瞬時に調べ、的確に手に入れられる人」が重用されるようになりました。求められる能力も変わったのです。
この本は今よりももっと沢山の人がインターネットを使いあぐねていた、約15年前に出版された本です。けれど今も、インターネットという日々情報が絶え間なく更新されていくメディアを、どう活用すればいいのか分からない人は沢山いると思います。私もそうです。この本は、そんな私たちにインターネットとの付き合い方のヒントをくれます。
しかしこの本は、「インターネット」について書かれている本ではなく、「インターネット的」について書かれている本です。
まず、インターネット的とは何か?
①リンク
一つの情報を検索した時に、求めている答えに、関連している情報が付随していること、情報から情報へと、ネットワークで繋がっているのがリンクです。例えば池袋で美味しい唐揚げを探していたら、そのお店のウェブサイトで系列店を見つけ、系列店の最寄駅では今日お祭りをやっている、など情報が繋がってでてくることです。
→インターネット「的」の例とは…
私は今後の日曜日に一本映画を観ようと思い、AかB、どちらの映画を見ようか考えます。私はインターネットでA、Bの映画の情報を調べます。そしてBの映画に決めます。Bの映画のほうが興行成績が良かったからです。
けれど昼休みに私が映画の話を友人にすると、Aの映画は友人がみんな見ており、1人は感動して泣いてしまったということを知ります。さらに家に帰って夕飯を食べている時に、兄も今度の週末に友人とAの映画を見に行くということを知りました。
この場合私ははじめ興行成績でBの映画を観ようと決めますが、「映画を観て泣いてしまった友人」「兄も友人と一緒にAの映画を観に行く」という映画Aに付随する情報を知り決断を変えます。泣いてしまった友人の情報と、兄の情報はインターネットを介してません。ただ、映画Aに付随する、立派な情報です。これがリンクの「インターネット的」だと思います。
求めていた答え以外の情報を得る、もしくは相手に提供するというのが、リンクという名の「インターネット的」活用方法です。
②シェア
インターネット上にある情報を共有でき、そして自分が持っている情報をインターネット上に上げ共有することです。Twitterのリツィート機能もそうです。1人の人が呟いた良い言葉をリツィートし、自分のフォロワーさんもその言葉に触れられるようにtwitterでシェアをする。情報のシェア、分け合いです。
→インターネット「的」の例とは…
私は二週間後が期末テストである。テスト範囲は発表されたものの、教科書のどの部分を重点的に勉強したら良いのかが分からない。そんな時、友人のBさんが、Bさんの学年の一つ上にいるお兄さんの去年のテストのコピーを貸してくれました。お返しに私はBさんが前から探していた、使いやすい暗記アプリを一つ紹介する…。
お互いにとってためになる情報を紹介する。情報の助け合いですね。これがシェアの「インターネット的」です。
シェアの重要なポイントは、相手にとって有益となる自分の持っている情報を、臆さず公開することだと思います。シェアをして、助け合ってお互いを高めていく。これがベストな、シェアの使い方だと思います。
③フラット
インターネットの中では匿名での投稿が可能であり、現実での立場がかけ離れていても、同じことについて討論したり、個人情報を明かさないままオンラインゲームで協力して戦ったりすることができます。年齢、職業、性別、外見というフィルターに関係なく、自由に言葉を発することができます。お店を持っていなくても、個人がオンラインで商品を販売することができるようになりました。個人が、会社を通さずに物を売ることができるようになりました。
→インターネット「的」の例とは…
まず、漫画、小説、映画、デザインといった作品の投稿です。ここで見られるのは提出した商品の力のみで、作品を提出した個人については作品の二の次かと思います。投資、ギャンブルもそうです。問われるのは能力、精神力といった本人の立場とは関係のないもので、利益を得るか失うかの二択しかないかと思います。
フラットな世界は、実力主義の世界だと思います。自分の学歴等を問われない代わりに、その時々で求められているものを提供する能力が必要です。オンラインゲームでは戦闘力が、通信販売ではデザインやプロモーション能力、商品の安全性が必要です。地位や肩書きに頼っていた人にとっては、厳しい世界だと思います。
インターネットの出現により、私達は「インターネット的」というコミュニケーションの方法をきちんと確認し、活用する必要がでてきました。インターネットを介していなくてもこれから、「インターネット的」であること、つまりインターネットによって変化したコミュニケーションのシステムを、頭の片隅でも覚えておくことが重要だと思います。
リンクにより触れる情報の幅が増えそれぞれの価値観が多様になり、シェアにより情報の共有、助け合いが大切となり、フラットにより立場によらず自分の頭で考えた、自分の意見をつくることが重要となりました。
インターネットと一緒に、「インターネット的」も生まれたようです。「インターネット的」は、パソコンの前にいなくてもいいようです。私が初めて「インターネット的」を読んだ時に、これからの未来の沢山のヒントをもらったことを覚えています。
まだまだ続くので、次回も引き続き「インターネット的」の紹介をしたいと思います!