魔法の言葉が手に入ったと思ったのに
気づかぬ間に僕の手の端からこぼれ落ちて
いつの間にか灰色の抜け殻だけ
あの輝きがなんだったのか思い出せない
土曜日の商店街の雑踏の中
僕の目は君の姿を捉えたはずなのに
僕は目を逸らした
君は気づかぬまま僕の横を通り過ぎた
雑踏と僕は溶けて同じになった
千切れた思ひ出つなぎ合わせて
寂しさを噛み殺す
夢に堕ちようとする
手首に漂うジャズクラブの香り
嘘みたいな本当
本当みたいな嘘
僕は何もつかめずにいる
悪態ついて悪戯に笑う君
愛しい景色から僕は目を逸らした
つかんだって消えるわけもないのに
怖がって目を逸らした
片目を閉じて平らな世界を見る
灰色の世界
目を逸らした世界
悪戯に笑う君
さよならも言わず通り過ぎた
夜の風が通り抜ける
僕は目を逸らした
僕の中の灰色の世界から
さよなら
そして僕は笑う
今回書いたのは、僕の中を渦巻くモヤモヤを題材とした詩みたいなものです。
もし僕に音楽ができるのならこの詩に最高に尖った音楽をのせてやりたい。