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2F/当番ノート

そこまで好きにならなくていいじゃん、否それが「偏愛」。かく語りけり

第48期

突然ですが皆さん、なんか好きなもんありますか?答えはイエスかノーかだとしたら俺はこう答えます。

「イエス」と。

自信満々で答える、しかもかなり食い気味に。
だって好きなんだもん。

「洋楽ロックと映画」が。

みんなは洋楽ロックと映画好きかい?俺は大好きだ。
私ロックス、第1回目『ロッキー』について暑苦しく語る回でございました。2回目はこちら偏愛について多いに語ろうと思います。
むしろ第1回目でそれ語るべきなんじゃねーの?なんて思ったりしますが、まあそういわず。

●洋楽ロックへと映画への偏愛
時は世紀末、1990年代が終わりに差しかかり世の中では「ノストラダムスの大予言」がついに来る、なんて言われてた時代、そんなことも大して気にもせず中学二年生、いわゆる中二の少年はボンクラな中学生活を送っていた。

そんな少年が出会ったのはザ・ビートルズだった。
少年の世界は割れた。
少年は洋楽ロックに傾倒し、いつしかそれが彼のプライドとなる。

「運動なんてドMがやることだろ」

当時は本気で思っていた。なんてクソ文科系。なんてクソ文科クソ野郎。
大体、洋楽ロックを聴いているようなやつらは決まって映画もセットでついてくる。
その例に漏れず少年は映画へも忠誠を誓ったのはいわずもがな。

少年の高校時代はこうだ。

・ディスクユニオンでCD漁り
・休みの日は新宿西口のブート漁り
・CDの発売日は必ずHMV渋谷で購入
・映画館(三軒茶屋シネマ2本立て)に入り浸る
・TSUTAYAでレンタルした映画を鑑賞
・近所のゲーセンで『鉄拳』上で他校のヤンキーと殴り合い
・プロ野球をやったこともないのにテレビに向かって野次を飛ばす
※野球もゲーセンもライフスタイルの一つに入っていた

永遠三年間このループである。

「俺はお前らと違う、俺は周りが誰もしらない崇高なものを知っている」
「邦楽なんて聞いていたら耳が腐る」

当時は本気で思っていた(さすがに今は違います)
洋楽ロックを聞いたり、人が知らない映画を観ることによって少年はアイデンティティを築き上げていたのだ。
少年は人と同じでは嫌だった。
少年にとって「人と違う」ことは人より違うものを知っていることだったのだ。
むしろそれしか彼にはなかった。それが学年の花形、体育会系運動部に唯一勝てる武器だったのだ。

●「マイケル・ジャクソンの『今夜はビート・イット』のギターはエディ・ヴァンヘイレンが弾いている…のは有名だが、弾いているのは実はギターソロのみである」
●「クラッシュの『I Fought the RAW』はカバーである」
●「ウィー・アー・ザ・ワールド」のレコーディングにプリンスはドタキャンした。

ひけらかす文科系のプライド、ひけらかす知識。ひけらかすマジでどうでもいい知識。保たれるプライド。

だからどうした。少年はただひたすら洋楽を聞き、知識をためこみ、自分ではなにもしなかった。
そんなもんモテるわけないじゃないか。

●好きである
形や目的はどうあれ、少年の偏愛は本物だったはずだ。それから20年以上の月日が流れた。

俺は今でもロックと映画を愛している。

ロックはいつでも俺に寄り添ってくれる。
ロックはいつでも俺たちの味方だ。
ロックはいつでも俺たちのスーパーヒーローだ。

映画はいつもで俺たちを連れってくれる。
映画があればやなことなんて忘れられる。
映画があれば人生は楽しい。

なんていうんでしょ。別にそこまで好きにならなくてもいいじゃないか。
別にそこまで好きにならなくても、映画も適度に音楽も適度に好きになればいいじゃないか。
そこまで好きになると大変である。

カネもかかる。時間もかかる。変な思考も生まれる。しまいには人生を捧げだす。
映画や音楽に全てを捧げるなんて素敵なことに聞こえるが非常に大変なことである。

なぜ俺はそこまで傾倒をするようになったのだろうか。
「凝り性だから」
「はまりやすい性格だから」
そんな性格上の簡単問題で片付けたくない、いや片付ければいいじゃん、やだね、俺の暑苦しい性格故である。

●偏愛の才能があった
つまり俺にはロックと映画を狂おしいほど愛する才能があったのだ。偏愛の「才能」があったのである。
「才能」とは生まれつき備わったものである。
俺にはスポーツの才能もないし、大してなんの特技もないけど
「ロックと映画を偏愛する才能」があった。

「なにもそこまで好きにならなくてもいいじゃないか」そ
「偏った愛」は人物の形成、後の人生においてまで関わることになる。
「偏った愛」がただ一つ心にあれば、心折れた時にそれらは支えてくれる。

俺はもっと何かに異常なまでに愛を持ちたい。
そのことに気づいたのがここ数年。
それに気づいた俺はさらになにか偏愛できるものが欲しくなってワクワクしている自分がいた。
これが恋愛とかだったらなんか表裏一体でめんどくさいことになるでしょうが、カルチャーの何かになるだろう。

ティーンズの衝撃に勝る「なにか」まだあるんじゃないか、もしかしたら。
固執して狂おしいほどなにかを愛したい。

偏愛、つくろうぜ!なんか君だってなにかを狂おしいほど好きになる才能があるはずだ!

何もそこまで好きにならなくていいのに、否、何もそこまで好きになれば人生は楽しすぎるのだ。
俺はそれだけで本当に楽しいからそれでいいんだ。

っつーわけで次回からガンガン好きなもの、語ります!

ROX

ROX

映画ライター、株式会社東京饗宴代表、16人組ロックバンドThe R.O.X&Gently Weeps Orchestraリーダーなど。

好きな映画は『ロッキー』シリーズ
好きな映画ジャンルは音楽映画、クソ映画
好きなロックバンドはザ・ビートルズ
好きなボーカルはアクセル・ローズ
好きな野球チームは巨人
好きな食べ物はチャーハンと蕎麦
好きな芸能人は麻生久美子

Reviewed by
細野 由季恵

【「ロックと映画を偏愛する才能」を語るROX】

人は好きなモノを話す時、すごく良い顔をする。Lこの人、きっと原稿を書きながらニヤニヤしているんだろうな。って、ちょっと想像して吹き出した。

“「偏った愛」がただ一つ心にあれば、心折れた時にそれらは支えてくれる。”

日常が、そういうもので溢れていると嬉しいな。

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