前回までのあらすじ
大いなる王の遺産を巡るROXの冒険は最終局面を迎えていた。覇王龍道拳の免許皆伝となったROXは師であるジャッキーのもとを訪ねる、するとそこにはジャッキーの変わり果てた姿があったのだ。そこには血染めのダイイングメッセージが。「楊チェンに気をつけろ」ジャッキー最後の言葉を胸に秘め、怒りに震えるROXはチェン打倒のため上海へ向かう。そしてチェンと対峙、いよいよROXの長きに渡る冒険にピリオドが打たれる。
はい、すみません、楽しくなっちゃってテキトーにストーリーをつくりました。アパートメント、ROX最終回だよ、って話です。
最終回だっつーんで、映画のエンディングの話を。
映画のエンディングはエンドロールが流れて映画の中の登場人物たちはお役御免、続編でも作られない限りその姿を二度と拝むことはなし。それが悲しかろうが楽しかろうが知ったこっちゃなし。ある意味彼らの人生はそこで終わることになる。
『テルマ＆ルイーズ』なんておーーーいそこで終わっちゃったよ、のような無責任さが堪らない。
『イージー・ライダー』は、え！！あ！は！？まじで？！で終わるパターンを作り出し
『スター・ウォーズ EP5帝国の逆襲』は悪の活躍を描き衝撃の真実が明るみとなりルークが絶望に陥り終わる。
『フットルース』はとにかく踊っとけ、あとは知らんがな。
結局、俺ら現実世界で生きる人間は、どんな楽しい夜を過ごそうが、ドラマチックな展開を迎えようが、悲しいことが起きようが、何もしない大したオチがない日を送ろうが、同じ24時間。良くも悪くも寝れば同じ朝がやってくる。毎日のエンディングを迎えてもまた朝起きるシーンから俺たちの生活は一定を保ち流れてゆく。
映画の中の登場人物は好き放題やってちゃんとオチをつけてその役目を全うする。ただし、彼らは同じ朝を迎えない。むしろエンディングを迎えたら彼らは世界から消え去り死んだ状態に等しいとも言える。
俺、映画の登場人物がたまに羨ましくなるんだよね、一つの物語のエンディングを迎えたら、もう余計な人生がないから。
昔から映画みたいな人生、送りたいな〜と思っていましてね。まあたしかにバンドとか個人で仕事なんてしていると不思議な体験が多くてですね、そりゃまぁ、凄い夜や壮絶な夜、悲しいこともたまにあったりですね。
毎日エンドロール流れる人生…はさすが疲れるけど、たまにエンドロール流れるようなことが起きる、そんなドラマチックな人生送りたいもんですな。第三者に俺の映画観られていても楽しいような、観ていても途中で眠くならない大スペクタクル、「今日は名作だった」、そう言ってもらえるような、そんなドラマチックな人生って楽しいじゃないっすか。
で、映画ってのを最後に。俺らに何が起きてたって映画はいつでもそっちの世界に連れ去ってくれる。たとえそれがつまんないクソ作でもお構いなしだ。
こんな体験、映画館でしかできないと思わないかい？話すことだって、むしろトイレですら、お前空気読んでいくなよ、となるのだ。現実逃避、なんて言葉で片付けたくないが、いや確かにこれは現実逃避だ。
さあ、やなことなんて忘れて、いいことですら忘れて、もう何もかも忘れて、映画をみよう。
気の合う友達を、気になるあのこを誘って、インターネットでチケットをとってポップコーンとコーラを買ってケータイの電源を切って、予告編を観て、踊るカメラの撮影禁止映像を見れば、ほら映画の世界へレッツらゴーだ。
映画、見ようぜ！！！
それではまた、どこかで。アディオスアミーゴ。アスタラ・ビィクトリア・シェンプレ。
ROX
