『男はつらいよ』が22年ぶりにスクリーンに帰ってくる。シリーズ50作目は『男はつらいよ お帰り寅さん』だそう。
とは言っても、我々若者世代(自分が若者世代なのかわからんが)にとっては「ああ、そうなんだ」くらいだろう。
映画ファンの俺も『男はつらいよ』シリーズはおそらく8作ほど中学校の頃に観て以来。
渥美清が亡くなったから見るか~くらいのテンションだった。
朧げな記憶になるが「面白かった」というシンプルな感想なのは間違いない。
というわけで新作を劇場で観た。
結果的に言うとこの年末年始で『男はつらいよ』マラソンが始まった。
「こりゃ全部観ないと」それほどの作品だった。
今日は寅さんについて語る……のではなくシリーズを監督した皆さんご存知、山田洋次ってすごくね?って話です。
●山田洋次まじすげえ
いやほんとあんたすごいよ。なにがすごいってもう音楽業界で言うなら、阿久悠、秋元康、小室哲哉バリ。
下記、山田洋次のフィルモグラフィの一部である。
・『男はつらいよ』シリーズ50作 監督
・『釣りバカ日誌』シリーズ全22作脚本
・『学校』シリーズ4作 監督
・『馬鹿が戦車でやって来る』監督
・『幸福の黄色いハンカチ』監督
・『息子』監督
・『東京物語』監督
・『たそがれ清兵衛』監督
・『隠し剣 鬼の爪』監督
・『武士の一分』監督
・『家族はつらいよ』シリーズ3作 監督
他、ありすぎ。
どうですか、この名作たち。素晴らしい功績。
まず『男はつらいよ』はほぼ1年に2本制作している。年2本って……すげえええ!
そして驚くことなかれ、同時並行で釣りバカの脚本もこなし、その他の作品も手掛けている。
年に3本映画製作+α、山田洋次ってこの世にいったい何人いるのでしょう。
●『北の国から』は倉本聰だからな
一瞬俺もそうなんじゃね、って思ったけど『北の国から』は倉本聰だかんね!
でも『北の国からの』の黒板純、『男はつらいよ』の諏訪満男、これ二作とも息子的ポジションで吉岡秀隆が演じてるってのもすごいよな。
山田洋次と倉本聰、この二大巨頭に育て上げられたまさに国民的息子、それが吉岡秀隆なのです。
子役なのにしっかりといい役者になった成功例と言えるでしょう。(内田有紀と速攻離婚したけど)
聞いてるか、Tで2の人、ホームでアローンの人。シックスでセンスの人、スターでウォーズでエピソードが1の人。
そんな彼ももう49歳、ひぇ~、おっさんやん。
●個人的お薦めは『息子』
国民的息子、とか話したからではなく、山田洋次の『息子』は傑作中の傑作である。
主演は三國連太郎、そして若き日の永瀬正敏。
後の映画スターとなる永瀬正敏の代表作の一つだ。
この作品で
●第15回日本アカデミー賞
最優秀作品賞
最優秀主演男優賞/三國連太郎
最優秀助演男優賞/永瀬正敏
最優秀助演女優賞/和久井映見
新人俳優賞/和久井映見
優秀監督賞/山田洋次
優秀音楽賞/松村禎三
優秀撮影賞/ 高羽哲夫
優秀照明賞/青木好文
優秀美術賞/出川三男
優秀録音賞/鈴木功、松本隆司
優秀編集賞/石井厳
●第65回キネマ旬報賞
日本映画ベスト・テン第1位
監督賞/山田洋次
主演男優賞/三國連太郎
助演男優賞/永瀬正敏
助演女優賞/和久井映見
●第46回毎日映画コンクール
日本映画大賞
監督賞/山田洋次
主演男優賞/三國連太郎
撮影賞/高羽哲夫
日本映画ファン賞
●第4回日刊スポーツ映画大賞
作品賞
監督賞/山田洋次
主演男優賞/三國連太郎
助演男優賞/永瀬正敏
助演女優賞/和久井映見
●第34回ブルーリボン賞
助演男優賞/永瀬正敏
●第16回報知映画賞
作品賞
主演男優賞/三國連太郎
●第15回山路ふみ子映画賞
福祉賞
新人賞
●第1回日本映画批評家大賞
作品賞
男優賞
あ、字数稼ぎじゃないっすよ今の。
以上を総嘗めしたのだ。これぞ総嘗め。ペロリン総嘗め。文字通りペロリンなのだ。
多くは語りはしませんが、まじでこれ、泣けます。ぜひご覧になってみてください。
というわけで今回は山田洋次ってまじすげえよ、という回でした。
俺の過酷な『男はつらいよ』マラソンは続く。まだ5作目だ、あと45作。
劇場公開中に達成しておきたい。
ちなみに「ようじ」は「洋次」であって「洋二」ではありません、ご注意を。
山田監督、『家族はつらいよ』シリーズ俺好きなんで、50作目まで気合で作って2050年くらいに『家族はつらいよ50~お帰りメカAI周造』までつくりましょうよ。
監督も橋爪功も120歳くらい、妻夫木君も70歳くらいになってるけど、ディズニーと提携して世界最先端のAIとVFX技術を駆使すればまあいけんだろいけねえよ、それこそつらいよ。
あと『息子』の続編を、ああそれじゃあもう『孫』になっちゃう。
山田洋次監督にはこれからもどんどん作品を作ってほしいですな~。
では次回は「倉本聰まじすげえよ回」をお送り~~しないと思います。