当番ノート 第19期
(学生時代の作品より) 沢山の年齢の女性と会って、お話を伺って見えてきたことがあります。 10代〜20代は未経験な事だらけで、早く大人になりたいと、もどかしさに苦しんでいて、けれど肉体のもつ若さのパワーが武器だと、気付いていなかったり、気付いている娘はある意味凶悪だったり笑。 30代からは生きてきた背景が身体の内側から溢れる空気や美しさ、エレガンスに影響するのではないかと思うのです。40代は30代…
当番ノート 第19期
【第8話 体とヤバい女の子】 ◾︎ろくろ首 およつ(列国怪談聞書帖) 十返舎一九の『列国怪談聞書帖』に登場する女の子 およつは首がのびる。 彼女は愛しあって駆け落ちした恋人に、金のために殺された。恋人の名は回信という。 回信は駆け落ちの途中で金と未来が惜しくなって彼女を殺した。ひとり楽しく暮らす回信は旅先で宿屋の娘と懇ろになる。ピロー・トークの最中、にわかに娘の首がのび、およつの顔に変わる。およつ…
当番ノート 第19期
外国語を勉強するのが好きです。 今まで、色々な言語を勉強してきました。 一番最初に出会ったのは英語で、中学、高校と6年間勉強しました。 時々、『ENGLISH JOURNAL』とか、ちょっと楽しい英語雑誌を買ってきたり、字幕で映画をたくさん見たりしながら、適当に覚えていきました。 大してしゃべれもしないのに英語で授業をする大学の学部に飛び込み、未だにそんなに上手くはないですけれども、英語…
当番ノート 第19期
イエローとグレーの間の色の名前かと思ったら、 そういう花があった。 原産はインド。彼方の道。 実も花も葉も染料になる。 motoco oki
当番ノート 第19期
畑の住人たちにはうれしい 雨の多い春先になりました。 あんなに寒かった冬もおわったと思ったら あっという間に春のよそおい。 お茶畑では根っこからぐんぐんと水を吸い上げて 秋から冬にたっぷり枝にためた栄養をエネルギーに ちいさな新芽を大きくひらかせようとしています。 お茶の新芽の収穫まで、あと1ヶ月半。 ここからあっという間の成長です。 日に日に大きくなる芽をみて、また1年がすぎたなと感じるのです。…
当番ノート 第19期
家族と長い事過ごした尻尾がくるりと揺れる犬。 今でも茶色いかたまりを見ると、彼を思い出す。 日差しの中で丸まって眠る犬の毛の一本一本が明るい茶色。 なんて男前なんだと思っていた。 何処かの海で拾って来た流木の木目の色。 その上に乗せる色は何だろう。 そのままでも十分美しいのだけど、その木目の茶色い筋をたどる様に 絵の具を置く。 ラオスに行った人の話を聞いた。 ナイトマーケットで一心不乱に人形を作っ…
当番ノート 第19期
いつも実体験を元に書いています。 今回はつい最近、ようやく父離れをしたお話です。 女性の皆さん、お父さんの匂いが嫌になったのはいつ頃ですか? 私の記憶では12、13歳ごろだったような気がします。 そして同時に、多感で片思いを沢山していた時期だったことを思い出します。 思春期の少女がお父さんの匂いや言動が嫌になる、というのはよく聞く話ですが 思春期の少年がお母さんの匂いが嫌になる、はあまり聞かないよ…
当番ノート 第19期
【第7話 嘘とヤバい女の子】 ■磯良(雨月物語) 上田秋成の《雨月物語》の中の一話「吉備津の釜」には好きな男に騙されて死に、好きな男を騙して殺す女の子が登場する。 彼女は名前を磯良(いそら)という。 彼女の夫 正太郎は何度も恋に浮かれて浮気をし、見かねた両親に座敷牢に入れられる。 正太郎は愛人と別れるために要ると嘘をついて磯良に金を工面させ、その金を持って愛人と逃避行の旅に出る。 磯良は焦がれて死…
当番ノート 第19期
私自身は、時々パフォーマンスをして、雑誌編集なんてしているだけで「創作」などとごたいそうな事を言えるようなものはしていないですが、やっぱり胸の内に秘めた「これが作りてえ」という欲があります。 それを辿ってみると、どうも自分が物心ついてから5年以内くらいにした事をもとに、 それを延々と反復しているように思えてきます。 昔幼稚園生だったころ、私は、ぬいぐるみで遊ぶのが大好きだった。 5個上の兄がいて、…
当番ノート 第19期
mm cafeとは グラフィックデザイナー、音楽家 井関麻理子と、 テキスタイルデザイナー 大木 元子 による、 季節のごはん会。 12月 3月 7月 10月 5月の+草木染めの会 ごはんは素晴らしい。ごはんがあれば、会いたい人たちが集まってくれる。 好きな人たちとのごはんは、全部体にいい。 mm cafe 美味しいごはんをゆるりと。 motoco oki
当番ノート 第19期
ぼくは毎週土曜日になると 早朝から野菜などを収穫し、お茶を仕上げ、パッケージして 看板やPOPも車に積み込み、朝市の準備をする。 風情ある昔ながらの景観が保存された、東海道島田宿にある川越街道の 荷縄屋という場所で4年ほど前から朝市をやっているのだ。 かつては宿場町で、街道にはかなりのにぎわいがあったと聞く。 何十年かたち、時代の移り変わりとともに街道のにぎわいはなくなった。 地域の景観を生かして…
当番ノート 第19期
去年くらいから黒を絵の中で使う事が増えた。 そしてその黒のインクをよくひっくり返す。 机に、床に、紙に、ぐんぐん染みて行く真黒な穴。 そんなに世の中はっきり黒や白で収まらない。 穴の夢、昔よく見ていた。 穴がたくさん開いていたり、穴の中で眠ったり。 写真をフィルムで撮っていた頃、モノクロフィルムが好きだった。 今みたいにパシャパシャと撮れないから、光を見て慎重にシャッターを切った。 木漏れ日や雲の…