当番ノート 第13期
日本の日の丸は太陽を表しているようだが、 俺にはイザナミの血に見える。 処女が初めて男とベッドをシェアしたときの血に、ね。 わびさびの国って、そういうことだと俺は思う。 ————– 俺が男になったのは大学1年生の時だ。14〜15才の時かな。ロシア人にしては結構遅い方。 当時、俺は心理カウンセラー/占い師のイライダという女性のアシスタントを…
当番ノート 第13期
母と大叔母の家を訪ねる。 お味噌汁のいいにおい。 日が暮れる。 自転車の漕ぎ出し。あ、ライトつけなくちゃ。 ここいらの電線、こんなにぎざぎざだったっけ? 気をつけて道渡ってよ。母が後ろから。いくつの子やねん。 危ない。車きてるよ。 がらがらがらと音。小さなこどもが遊んでいる。 こんばんは。こんばんは。 小さな村の細い道へ入って、年明けにいつも訪ねる神社の一本前で曲がる。 大きな古い家の勝手口を開け…
当番ノート 第13期
先週書いた話に、うちの実家家族を絡めるのもあれですが、ちょっと生々しい話をします。 三つ年の離れた妹は、娘ふたりがやっと小学生ではなくなりました。ちょうど一息ついたところで、頻繁に掛かってきた電話が静かになりました。 わたしには、妹の愚痴と、子育てを手伝っている実家の母のそれ、両方を聴き続ける役がありました。母は仕事を持っていて、妹は病気にもなったので、ずるずる仕方なくです。愚痴のステレ…
当番ノート 第13期
それは湯気だ。 熱を帯びた時間は姿を変えて、湯気になる。 熱ければ熱いほどたっぷりとそれは湧く。 視界をぼんやりとさせ、はっきりとは見えなくなる。 なんとなく、別世界に連れて来られた気分になる。 つくることは、その湯気をぐるぐる巻き取って1つものに見せること。 何かしらのストーリーを連想させること。フィクションでも、ノンフィクションでも。 自分や誰かの、目や肌や心にすーっと染みこませることができた…
当番ノート 第13期
朝日が差し込み始めたので、さあ寝ようと思ったが、ふと思い直して洗濯機を回し始めた。 干すまでは寝たくないので太陽を盗んだ男を見始める。 そのままちゃらちゃらとペンを走らせ始めると、眠いのもあって意外に興が乗ってくるものである。 そのまま月に囚われた男に流れたあたりで眠さにペンが負け始め、知らない間に知らない所に線が引かれてしまう。 こりゃだめだとなり寝るのである。 結局、洗濯物も干されずに眠るので…
当番ノート 第13期
フぅ~~~。。。(長い溜息&放屁) いったいこの国はどうなっているんだ? 震災後の原発を巡るいざこざは一向に解決の兆しを見せない。 政治も政治家も狂っている。上がる消費税。苦しくなる一方の生活。 若者の就職なんて、ある訳がない。 こんな国にいったい誰がしたっていうんだ? こんなときに俺たちロックバンドに何が出来る? 「音楽で世界を変えることは出来ない。」 ああ、確かにお前の言うとおりかもしれないね…
当番ノート 第13期
愛とは常に無防備でいること、と俺は思う。 自分を守ることをしないまま、 不安と痛みと幸せを同程度に 受け入れること。 そして傷つく時には思いっきり痛みを感じ、 不安になった時には思いっきり暗闇に落ち、 幸せな時には振り向くことなく光の方へ飛び、 そしてお互いの中に永遠に落ちてゆく。 なんとなくそんな感じ?なぜなら俺は一度もそういうことを体験したことない。 だからこれはきっと… 本当の愛…
当番ノート 第13期
本を読むこどもだった。 小学校の最初の三年間の放課後を、学童保育に通ってすごした。 その前を保育所で過ごしたわたしにとっては、息苦しくもわかりやすい共同の生活。 授業が終わるとまっすぐ。学校の敷地内、隅の隅に立てられたプレハブ小屋に向かう。 体育館の隣に立てられた建物は、通っていない子たちを寄せ付けない見えない線があって、 いいなあと友人たちが帰りながらつぶやくのを聞いたこともある。 靴を脱ぎ入る…
当番ノート 第13期
去年、You Tube で偶然見つけた、坂本美雨さんと矢野顕子さんの親子対談。美雨さんは、去年の秋に出た矢野さんのCDを紹介したくなって、パーソナリティをしているラジオ番組に呼んだそうです。その中で、矢野さんは、キャラが厳しいお父さん風になって、美雨さんは、偉大な音楽の先輩を前にドキマギしている様子でした。先般、亡くなった忌野清志郎さんの曲を読み直すというか、その良さを矢野さんによって再発見しよ…
当番ノート 第13期
モノクロの写真は現実の色から少し離れられるところが面白い。 シャッター1つで、黒い粒粒の集まり に変身。 色の情報量が減った分、見る人はそれを補おうと新しい色をつけようとする。 もちろん無意識の間に。 撮った自分だけが知る元々の色を目にすることができない人たちは、 それぞれの胸の中で思い思いの色を塗ることができる。 現実の風景と近い色で塗ってくれる時もあれば、 撮影者からは想像もできないような色に…
当番ノート 第13期
雪のつもり具合に愕然とする日々ですが、白い紙に描き始める時も、同じくその白さに愕然とする日々が続いています。 白い紙は何かしら描かなくても、それ自体ですでに存在が成り立っている。 線を引いた瞬間、やっちまったな〜と思うとともに白にはまり込み身動きが取れなくなる。 ほぼなにも意図を持たずに描いていると、特にそう思う事が多い。 それでも黙々と描き進めて行くと、ある時点から目的とするべき表面が白を覆って…
当番ノート 第13期
ボンテージルックで失礼します。牧野俊太です。 ご近所のライブハウス「騒弦」の店長であり、このアパートメントでも連載を務めていたノダフルタ(身長4m)。 彼がボーカル&ダンスを担当しているロックバンド、アドバルーンが先日ミニアルバム「エイティーン」をリリースしました。(拍手!) そこで今回はその「エイティーン」の全曲レビューをしてみたいと思います。 まずは1曲目、タイトルトラックでもある「エイティー…