当番ノート 第5期
僕はこの写真に「our finder」という名をつけた。 「私たち」とか「our」って言葉は二人以上の物事を指す。 もしかしたら二人だけかもしれないし、 もしかしたら三人、四人、五人、 もしかしたらもっと大勢のことを指しているのかもしれない。 言葉のみをみた者は想像するだろう。 「our」に見え隠れする人々の存在を。 多分この写真を撮ったときは、 僕は「二人」の意味をこめていたと思う。 二人だけの…
当番ノート 第5期
まるで普段どおり なんの違和感もなく電車に乗って 来た道を帰るような錯覚 それはあの日の夕方 まるで昔から決まっていたような なんの前触れもないどしゃ降りの雨 傘の無かった帰り道 それはあの日の夕方 まるで普段どおりに 毎日が過ぎると思っていた あの日の夕方 まるで世界が変わってしまった あの日の夕方 生きているか この夕陽を見ているか 生きているか 笑って飯は食っているか 生きているか 嫌なこと…
当番ノート 第5期
2001 2001 学生時代の写真です。この時期の写真を語る言葉は特にありませんが、とにかく単純に来たものを捉えるという反復作業に徹底していた様に思います。写真を撮りフィルム現像してそれをプリントする。そしてまた外に出て撮影してとその繰り返しの毎日でした。今の生活も当時とそんなに変わりませんが、とくかく外へ出ていって撮影する毎日を過ごしていました。その後2003年に学校を卒業し、ギャラリーニエプス…
当番ノート 第5期
あした、もし、晴れたら。 その位の、畳んで掌に収まるほどの、ちいさな祈りのようなもの。 こんばんは。浅田泉です。 ・・・というのも、少し寂しいのですが、これで最後です。 改めまして、藤田莉江です。 この度、ご縁があって第5期アパートメントの土曜日を担当させて頂いていました。 いつもは、主に写真という分野でアマチュア活動をしています。 先週、種明かしのような事をしました。 けれど、きっとお読みいただ…
当番ノート 第5期
朝起きると、携帯電話の電源が落ちていた。 充電切れ。 実家に泊まった夜。 久しぶりに祖母の夢を見た。 前回のコラムにも書いた、本通り沿いにあったお米屋さんが舞台だ。 店の奥にある、真っすぐで薄暗く、長い階段を上がると、そこはお米屋さんの二階。 長屋のような造りで、3つの和室が続いていた。 夢の中では、私は幼き子供。 きっとそれが祖母に見つかれば、厳しく叱られるだろう。 そのことを自分がわかっていた…
当番ノート 第5期
先日、久しぶりに007の新作を劇場で観た。 シナリオのB級さも含めてかなり堪能。 ダニエル・クレイグのちょっとくたびれた感じのジェイムス・ボンドは結構好きだ。 ハビエル・バルデムの怪演というか名演が素晴らしい。 アデルの主題歌とオープニング映像はセクシーで秀逸。 音楽や衣装、その他エキストラに至までディテールが徹底して作る込まれている点、 その場面、国柄にあわせた、というか、場面の個性を引き込むよ…
当番ノート 第5期
結局のところ 写真を通して 「君たちはつながっているよ」 と誰かに認めてほしいのかもしれない。 「君たちは楽しそうだよ」 「君たちは似ているよ」 「君たちは一緒にいていいんだよ」 「君たちはつながっているよ」 (写真:2011年12月 城崎温泉)
当番ノート 第5期
加齢臭と哀愁と 人生に対するある種のきっぱりとした諦めと 昨日飲んだ酒が抜けないあの口臭 長年着込んだ革の上着 箪笥から引っ張りだした一張羅 見比べて着るはやはりいつもの革の上着 くたくただが気に入っているのだ この人生を 風呂敷に包んだ女房を 質屋に入れて預かり賃は宵の酒 スルメにありついたと一息つけば とっくの昔に酒がない 預けるものがもうないが 気に入っているのだ この人生を
当番ノート 第5期
「青森」より 2005 「青森」より 2005 2004年から2005年にかけて青森県八戸市にアパートを借りて住んでいた事がありました。直前までメンバーとして活動していた東京、四谷にあるGallery Niepceでの活動を終え、新たなテーマの模索と作品制作のため拠点を移す事にしました。他にもやはり様々な理由はありましたが、北の地へ向かう事に何かしらの希望を持っていた事は確かな気がします。実際に八…
当番ノート 第5期
・・・・。 ・・・・・。 ・・・。 ・・・。 2012/11/16 ・・・・。 。 2009/8/18 + A woman in the picture is my own. + 誰かが、わかってくれるとか、そうは思わないけれど。 賭けのような気持ちで鳥かごを開け放つ。 ほんとうのことでは伝えられない事を伝えるための嘘のことを、人は許してくれるかどうかわからないけれど。 + 来週の最後の回に、改め…
当番ノート 第5期
あじさいを好きだと気づいたこの夏。 詳しいわけでもなく、ただ好きで。 この秋に撮ったあじさいが、 枯れてるというより、咲いてる途中、 まだこれから咲き誇るのではないかと。 そう思えた実家の脇に咲く、あじさい。 彼岸花。 娘と一緒に自宅のそばのお寺に行った時に。 彼岸花。 学校の帰り道に川の土手にたくさん咲いていた。 娘もこの秋、一本道の通学路で川の向こうにこの赤い花を感じながら、 学校に通っていた…