当番ノート 第38期
1年間 師を持ち絵の修行をした。 その人は、現代美術家の肩書きを持っている人。 私は、今まで誰からも絵を教わった事がないため、好奇心を持ちながら、その人に弟子入りをした。 仕事を辞めて、無職になったのだ。 勿論、弟子入りするまでに色んな事を悩んだ。 当時の私は、子供を対象とする仕事を慣れない環境の中で働いていた。子供は好きだったが上司とうまくいかずストレスを抱える一方だった。絵は好きだったが、絵で…
当番ノート 第38期
私は、チェコのCeske Budejoviceで出会ったスロバキア人の写真家、Veronika Brunova氏と写真を創作しています。 ルーマニアの黒海、チェコの飛行機の滑走路、チェコのピルセン、ベニス、様々な場所で写真を創作してきました。 写真は踊りと違い、瞬間を切り取り残すものです。そして後で自分で見ることができる。 veronikaの目線ではこんな風に見えているのかといつも私は驚かされます…
当番ノート 第38期
嫉妬してしまうくらい尊敬しているあの子は、気配りの権化のような女の子だ。飲み会のとき、飲み物が少なくなっている人にはすかさずメニューを渡すか、「ビールで良いですか?」と、その人の頼みそうな飲み物を先回って聞く。あまり食べていない子には、食べ物を取り分けて近くに行き、「気使わずにたくさん食べよ!」と一緒に食べてくれる。常に周りの人が楽しくいられるように考えて動いていて、飲み会の幹事やみんなのとりまと…
当番ノート 第38期
マレの表通りを歩いていると、向こうからブロンドの女が歩いてくる。もはや黄金の時代は過ぎたといった風で、紺のスーツで身を包み、軸の短いハイヒールの音を高鳴らせ、急ぎ足でこちらに向かってくる。ふと、一枚のポスターの前で足を止める。仁王立ちで選挙用のポスターの前に立ち、じろりと一瞥をくれると、右手でもってポスターを破り取り、丸めてぐしゃぐしゃにして地面に叩きつけた。さすがのパリジャンたちもこの異様な光景…
当番ノート 第38期
2016年の6月に、ペルーへ行って先住民の儀式に参加しました。その経緯を書いてみます。 ・算数の問題 子供のころ、たしか小学校の低学年のころだと思うけれど、知り合いの大人からこんな問題を出された。(もしよかったら、あなたも考えてみてください。) Q. 等間隔に並んだ9つの点を、一筆書きの4本の線で、全て通るにはどうすれば良いか。 私はいろいろと試してみた。どうしても、4本の一筆書きで全ての点を通る…
当番ノート 第38期
はじめまして、金曜日の当番ノートを担当します、さいとうです。 今回の連載では星座とそれにまつわるギリシャ神話のお話をベースに、さまざまな人間模様について少し立ち止まって考えてみようと思っています。 なぜいまさらギリシャ神話か。それは自身の幼少時代の記憶にさかのぼります。 関東とは思えないほど田園風景の広がる地域の生まれなのですが、少ない地元自慢のひとつは満点の星空が見えることでした。天体観測が趣味…
当番ノート 第38期
私の小さい時の夢からの話。 私はいつも絵に囲まれていた。 小学1年生の時、当時大阪の小学校に通っており、その学校も50年という古い歴史をもった学校で生徒が近寄ってはいけないようなところには、お化けが出そうな薄暗い場所に配電盤が置いてあったりした。(幽霊教室)(幽霊階段)などと生徒の間では広まっていた。 私ももう昔の記憶のため、確かな事は伝えられないが本当にあえてお化けが出る雰囲気を作っているかのよ…
当番ノート 第38期
はじめまして。 これからこのアパートメントの滞在でどのような出会いがあり、 自分自身が何を見つけるのか、とても楽しみです。 私は今ルーマニアの黒海沿岸の小さな町にあるバレエ団で踊っています。 今年の3月の初めに1年に1度のガラ公演があり、自分の作品を上演することができました。 どこにいてどこに行くのか それをテーマにコロンビア人の同僚と作品を創作しました。 2人で創る 2人の関係性 自分がそこにど…
当番ノート 第38期
時々私は、自分のまわりにある世界がすべてのような気がして、どこにも居場所がないと思ってしまうことがある。失敗をしたり、コミュニティにうまくなじめなかったり、人に迷惑をかけてしまったり。そんな時「もう誰ともいい関係は築けない」と、自分の箱の中に逃げ込みたくなってしまう。 以前、とある年上の女性から、「自分のやりたいことを貫きすぎると、周りとひずみが起きるわよ。やりたいことがあっても、周囲の人が望んで…
当番ノート 第38期
少し、話を聞いてほしい。 これは若者の戯言だ。興味がなければ、左向きの矢印を押して出て行ってもらっても構わない。だがもし、君が答えを求めているのなら、どうか僕の言葉を聞いていってくれ。 問題は、なぜ物を書くのか、というところにある。確信しているのは、これこそが僕のやるべき使命である、ということだ。書くことによってのみ、僕は生き永らえ、幸せを嚙みしめ、そして世界の役に立つことができる。それ…
当番ノート 第37期
最終稿となった。 前回からの引き続きで’別れ’について触れたのち、当番ノートへの寄稿を総括したいなと思う。 出会いがあれば、いつか必ず別れがきてしまう。 気付く気付かないとは別に、だ。 人は、生死の概念から抜け出して永遠を手に入れない限り、別れからは逃れることができないだろう。 出会いは素晴らしいものだ。 別れは哀しいものだ。 出会いと別れが結び付いたものであると考えるなら…
当番ノート 第37期
作品を作ること これが自分の人生の仕事だと、いつの頃からかそう思うようになった。 作品には名前をつける。 時には文章や、短い詩のようなものを添える時もある。 言葉は、私と演者、作品と観客を繋いでくれる、扉のようなものだと思う。 自分にとって、作品を作るということはどういうことなんだろうと、これまで製作してきた作品のタイトルと、当時書き綴った文章を読み返した。 + 「under my skin」20…