人生で一番ハンコを押した一週間だった。色んな書類にハンコを押した。
最寄りの区役所で自分が印鑑登録をしていたかを確認したところ、未登録だったのでその場で登録し、印鑑登録証明書を受け取り、提出する。
行ったり来たりの生活をしていると、何かが欠けていく。
都心の店はあまり好きではないけれど、なぜか青山ブックセンターだけは落ち着く。
渋谷駅からブックセンターに向かって坂を登っいると、その途中に国連大学前でファーマーズマーケットが開催されており、キッチンカーで売られていたタコスを2つ一気に食べる。
古着を売っているブースもあり、この際普段買わないようなヴィヴィッドなカラーの服も買おうかと迷った。1回その場を離れたが、一着忘れられない服があり、またブースに戻ったが、よく見るとXXXLくらいのサイズだったのでやめた。
その後、青山ブックセンターに行き、本を2冊買う。
「ここで唐揚げ弁当を食べないでください」と「浜へ行く -日記と、それを本にして売ることについて- / 蟹の親子」の2冊。手に取ったのがサイン本だったのだが、サイン本の購入はメンバーズ限定だったので、カードを発行してもらう。
根からの貧乏性なのか、浜へ行くの圧倒的な文量の多さで、得した気分というか買った甲斐を感じる。
出張先にもこの本を持って行って、ホテルやペンションで数ページずつ読んだ。あえて分厚い本を持っていくことに心地よさを感じた。
この2冊を読んでいると、描写が具体的でまたそこに思索が加わったものが、好きな本の条件だなと思った。
あとは、作者の姿を自然と想像してしまい、その姿を知りたくなるような本。
たった1時間の本屋での滞在で身体と心がすっとする感じがした。
が、それもつかの間、また平日には疲れがどっと溜まる。
散歩や焼き鳥屋で何とか平静/バランスを保つ。 いい焼き鳥屋を見つけた。仕事終わりに通える。
小学生の頃、親が録画してテレビで何度も流していた「勝利の女神」、「愛という名のもとに」というドラマの中で、仕事終わりに皆が集まる店があって、それがずっと羨ましかった。そんな憧れに少し近づけたのかもしれない。
普段は買うことの無いレモンを買って、朝目覚めてすぐに2つに切って、片方をグラス一杯の水の中に絞って、濃いレモン水を飲んだ。そしたら、一瞬で身体が軽くなった気がした。
ハードなものしか目にしたくなくなり、家でボクサーのドキュメンタリーや試合を見た。他には、爆弾処理班が主人公の戦争映画。でも、ジャック&ベティで見たハードさとは無縁なひと夏のバカンスをテーマとした映画が脳裏に焼き付いている。現実世界から虚構の世界に入り込めなくなったらおしまいだ。
そういえばレコードに針を落とさなくなって何週間が経つだろう。
渋谷のwwwで開かれた好きなシンガーソングライターのライブには行けた。
前日に行くはずだった同じくwwwでのイベントはチケットを買ったものの行けなかった。なので、翌日のライブには意地でも行った。
なんて、こうした色々なことで無理矢理バランスを取れたからこの数週間を乗り切れたのか、はたまた余った時間はその分だけただ寝ていた方がよかったのかは分からない。
が、後者を選んでいたら、過去の自分を否定するような、味気なくなるような、またアパートメントを書き続けているこれまでの自分を否定するような。
でも、今月もこうして無事に連載を続けられていることが一番の証か。