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3F/長期滞在者&more

長良川

長期滞在者

仕事でお世話になっているスポーツチームの試合を見に、岐阜に来た。

岐阜駅に降り立つのは数年ぶりで、前回は仲の良い先輩夫婦の結婚式の二次会に参加するために訪れた。その時は岐阜駅の周辺しか歩くことが出来なかったが、今回は試合会場となるスタジアムが長良川沿いにあることから、駅から少し離れたゲストハウスに泊まることにした。

駅に着いて北口のバス停からバスに乗り、20分ほど走って長良川沿いに着く。

川に沿ってホテルや旅館が多く集っていた。前日の二日酔いを醒ますために、着いて早々だが、その1つのホテルの日帰り入浴に入った。

風呂場は比較的空いていた。サウナもあったので、入っていると、途中で杖をついたおじさんが入ってきた。「大丈夫なんかな」と思っていたら、一段目に座るのではなく、杖をついて二段目まで上がり座った。

えらい元気やなと思っていたら、「今日暑いなぁ」と話かけられる。

近くのスタジアムに試合を見に来たことを伝えると、「岐阜もずっと弱いままやから、全然あかんわ」と言う。私の応援するチームは昨季最下位だったので、もっとあかんわな状態ではあったが。

「長良川の鵜飼も見たらええけど、サッカー終わったらもう終わっとるやろな」とアドバイスを受ける。

おじさんより先にギブアップしてサウナ室を出る。

風呂場を出て、風呂場の外にあった自動販売機の側のコンセントでスマホを充電する。

ゲストハウスに電話し、チェックインが21時以降になってよいか確認する。スタジアムがゲストハウスから近いので、できたら先にチェックインしてくれないかと言われて、先にゲストハウスへ向かう。

辿り着いたのは小さな一軒家。てっきり若者が運営しているゲストハウスかと思ったら、オーナーは元気なおっちゃんだった。

「コーヒーも紅茶も入れ放題なんで。今ならベッドもどこか選び放題。入口の側のここでええかな?」と色々よくしてくれる。

日帰り入浴に行ってきたことを伝えると、「この近くにのはら湯ていう銭湯あるから明日行ってみたらええよ。岐阜は昔から体に墨入ってても、入浴OKやから」とおすすめを受ける。墨が入ってるように見えたのだろうか。

「スタジアム行くんやったら、自転車で行ったらええやん」とママチャリを貸してくれる。

ママチャリに乗って長良川沿いを走りスタジアムへ向かう。グーグルマップを見れば分かるがスマホを開きたくなく、信号待ちをしていた自転車のおじさんにスタジアムの入口の場所を聞く。

スタジアムは想像していたよりも大きく、人の活気もあり驚く。

とりあえず自転車を置こうと警備員に駐輪場の場所を聞くと、「みんなその辺に適当に止めてるわ」と言われ、指の指す方向に漕いでいくと、階段の隅に5台ほど自転車が停めてあった。あまり自転車でスタジアムに来る人はいないんだろうか。

スタジアムの外ではグッズやグルメが売られてある。

生ビールと飛騨牛コロッケを買ってスタジアムの中へ入る。

応援するチームのサポーターは50人ほどで、非常にアウェーな試合であった。結局試合は負けてしまったが、サポーターと交流もでき、熱の籠った時間を過ごせた。

スタジアムを後にして、自転車で長良川に戻ると、数は多くは無かったが、鵜飼の舟が川に出ていた。

ユニークに感じたのが、木舟にモーターをつけて漁に出ているので、モーター音がそこら中で鳴っていること。写真だけでは伝わらない音。

宿に戻る前にどこかで夕飯をとりたかったが、どこも店は空いておらず、結局ファミリーマートで冷やし中華を買い、コンビニの隣の階段で食べた。

ゲストハウスに戻って寝たが、ベッドがなかなかの密接した配置で、周りが気になってあまり眠れなかった。

冷房が付けっぱなしだったせいか、翌朝喉がカラカラして起きる。まだ6時前だったが、起きて、ベッドから出て川沿いを歩くことにした。

川沿いは、朝早くからランニングをしている人たちが多くいた。家の近くのこじんまりした鶴見川と異なり、雄大さがある長良川でランニングをするのも気持ちよさそう。男性よりも女性の方がランナーが多かった。早起きなだけかもしれないが。

見上げると岐阜城があり、どのくらいの時間で登れるか調べてみると1時間はかからなさそうだったので、金華山を登ることにした。

めい想の小径、馬の背登山道など、いくつか魅力的な名前のルートがあったが、馬の背ルートが、1番早く登れそうだったのでこのルートで行くことにした。

途中ハチの巣注意のプレートがいくつも掲げられ、間違って巣を刺激してしまったらどないしようと思いながら、気付いたら30分ほどで登ることができた。

頂上には朝早くから多くの人が集っていた。地元の会社の役員と社員だろうか、頂上で同じ会社の者同士が初めて知ったようで、「何年入社ですか」「意外と年近いですやん」という話をしていた。

地元の人たちにとっては週末に山に登るのが習慣になっているのだろうか。

朝から汗だくになり、また再び前日入ったホテルの日帰り入浴に行くことにした。

朝風呂の日帰り入浴は通常より500円安かった。

山登り後でお腹が空いており、ホテルで朝食を取れないかとレストランに向かったら、朝食バイキングが2,750円で、直ぐに諦めた。

ただ、本日締め切りのアパートメントの原稿をどこかで書きたく、9時の開店直後のホテルのラウンジであんパンセットを頼む。

ラウンジから金華山と山頂の岐阜城を眺め、「2時間前にはあそこにいたんや」と思いながら、激しい眠気に襲われて30分ほど微睡む。残っていたコーヒーを飲み、目を醒ましてから、アパートメントの原稿を書いた。

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