長期滞在者
メール添付で送られてきたカレッジの地図を開くと、大きな庭が目に入った。3月の終わりに英国のオックスフォードでセミナーがあり、宿泊先は、カレッジと呼ばれる、キャンパスと寮を兼ねるような大学の敷地内にあった。カレッジはオックスフォードの街中にいくつも点在し、今回のセミナーで宿泊するところは、まだこれまでに入ったことがなかった。 —— 日本時間では深夜をまわったくらいの時差ぼけし…
長期滞在者
個人ではもう使わなくなったと思うけど、仕事の現場では今も、注文や、見積もりをファックスで送ったり、送られてきたりすることが多い。それでもいまは、文字や簡単な手書きの図表程度ではあるが、電子メールが普及する前は、写真の絵柄のやりとりも頻繁にファックスでやっていた。本や、生原稿を複写して送信するのだけれど、これがまた不鮮明な画像で、中には、真っ黒にしか再現されない場合も多かったが、とりあえず情報として…
長期滞在者
私が最初に洋楽の音源を買ったのは、家族旅行でハワイに行った時。 ショッピングモールにあったレコードショップで、 ティファニーの1stアルバム『Tiffany』とマドンナの3rdアルバム『True Blue』のカセットテープを買った。 家族でマイケル・ジャクソンやマドンナの来日公演を観に行ったこともある。 振り返ってみると、私の洋楽への入り口には家族との思い出がある。 2月のグラミー賞の発表が終わる…
長期滞在者
私はどうして家を開こうとしているのだろう。家を開くことで何を期待しているのだろう。予期せぬものとの出会い、この家がもっと愛されてほしいということ、新しい空気が入ることで健全さが保たれる場になること?どれも当たっているようで外れている。 そもそも。 愉快に過ごそうとすることに、理由を見出そうとするなんてナンセンスだということに気がついた。 時代が変わっても、楽しく過ごせますように。 3月1日(金) …
長期滞在者
季節の変わり目だからだろうか、ここ数日気分が冴えない。 自律神経に問題でもあるのか、体調も変な感じで、 風邪の症状はないのだけど、昼間でも足先が冷えていて、 今日あたりなんかは肩の辺りから体の芯に向けて 冷気のようなものが滑り込んでくるような感じが続いた。 なのでせっかく久しぶりに天気が良くなったものの、 その冷気に勝てず、今日は布団に潜り込んで午後までをすごした。 で、開いてみた本からの引用。 …
長期滞在者
”最近のアメリカは、すべてがリアルタイムで起きるリアリティテレビのようだ。リアリティテレビのスターを大統領にしたわけだから当たり前か” アメリカから東京に向かう飛行機の中で、大学生くらいの女の子が「カーダシアン家のお騒がせセレブライフ」を視聴している。「バカバカしい」と評されるような、セレブ一家を追ったリアリティ番組だ。もともとはバカにしていたが、ある時から時折見るようになった。シリアスなニュース…
長期滞在者
カンボジアで日本人の若者2人が、金のためにタクシー運転手を殺めたというニュースを耳にした。 放棄しているようであんま使いたくないけど、あり得ないという言葉しか浮かばない。 今月のアパートメントでは、カンボジアにいる親友について書こうと決め、はてどんな内容にしよかなと妄想している時にこんなニュースが入ってきた。 そんな事件が起こる前、先週金曜に、私の勤務先の農業施設の視察に訪れた、以前から何回か会っ…
長期滞在者
〈下図版:資料はアーカイブの要。これらは全て深瀬昌久関連。左上のファイル群は200冊強の雑誌スクラップブック〉 2014年に深瀬昌久アーカイブス(以下、MFA)を起ち上げて、今年で5年目となりました。5か年というのはひとつの節目ですから、起ち上げ当初に私が掲げた目標と、それを実現するためのビジョンを改めて振り返るには丁度良いタイミングでもあります。そこで今回より数回に分けて、物故作家のアーカイブと…
長期滞在者
「さようなら」が言えない。 言葉には現実を引き寄せる力があるから。 「さようなら」を言ってしまえば、それでおしまいな気がして。 「さようなら」を言ってしまえば、二度と会えなくなる気がして。 私は「さようなら」を言うのが、とても怖い。 「最後の言葉」をずっと考えていた。 B3リーグ、東京海上日動ビッグブルーのホームゲームでのMCをもう10年以上務めてきた。 今シーズンで東京海上日動ビッグブルーがB3…
長期滞在者
先日、ある展覧会場の受付で、展示を観終わったと思われるお客様が、職員の方に向かって、目当ての作品が展示していなくて面白くなかった、というような感想を残して会場を後にするところを見かけました。 その後に会場に入った僕は、時間さえ許せばもう少し長くゆっくりとこの会場に居たかったと思わせる素晴らしい展覧会でした。足を運んだ展示で去りがたいと感じさせるものは、一年の中でそんなにはありません。 その展覧会は…
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小さな頃は音楽というものが大嫌いだった。この嫌悪感のみなもとは、小学校の音楽の時間に習ったリコーダーとピアニカにさかのぼる。楽譜の読み方もよくわからないし、指を動かして望むメロディを作りだしていくこともできない。それなのに授業はどんどん先に進んでいき、わたしはますます落ちこぼれていく。吹き口についた歯型の傷のザラザラした感触や、どうしても取れない生臭い唾液が人工的なプラスチックにまざった匂い。うす…
長期滞在者
一人暮らしをしていた頃、インフルエンザにかかったことがあった。コンビニで大量の食糧を買い込んだので、薬を貰ったあとは特に困ることもなかった。ただ、一人でなんとかしてしまえるということは、それはそれで孤独なのかもしれないとも思った。 もちろん、誰かと暮らしているからといって、全く孤独ではないということではないのだけれど。 温かい雨が降るようになり、少しずつ物事の流れが変わっていくのを感じる。絹江ちゃ…