長期滞在者
年末から体調を崩して静養していて、 ふと気がついたら新年でしたw 新年あけましておめでとうございます。 そして、なんと年男であることにもふと気がついてガビーンとなった。 よくぞここまで生き延びたものである、とか、 よくぞここまで何者にも成らずに来られたものである、とか、 よくぞここまで人の迷惑顧みず勝手気ままにやってこれたものである、とか、 そういう感慨はひとまず来月やってくる誕生日にまで保留して…
長期滞在者
29年の人生の中で、最寄り駅への愛着って、実はいままで感じたことがなかった。だけど、この2年近く毎日のように通う最寄り駅は、わたしにとって初めての愛着ある最寄りの駅だ。 もちろん、東京で生活していたときも、群馬で生活していたときも、それぞれに最寄り駅はあった。だけど、いまの頻度とは、比べ物にならないほど利用回数は少なかったし、自分の行動範囲内にあるという感じは、正直あまりなかった。 いまの最寄りは…
長期滞在者
ここ10数年の間に私は何を失い何を得たのだろうかと考えています。若さを失い役割を得た、といった個人的なことではありません。とはいえ、この社会から何が失われ何が新たに現れたのかという社会学的な興味でもない。むしろ、私と社会のあいだをつなぐ領域において何が喪失され何が獲得されたのか。体感はしているはずですが、体感しているからこそ簡単には言葉にできない。そんな変化について書いてみたいと思います。 私と社…
長期滞在者
まばらなしるしをおいもとめてはまだらなしるべをのこしていく 記憶や経験に寄りかかって自分が感じたことを重んじるあまりに 目の前に見えていることまで軽んじてしまわないように 日常を紡いで 解いて 繋げて 連なる点が縁を結び 深く掘り下げる時がきた 世界からはいま 少し遠くなって せまいところにいるのかもしれない けれど 散在している私の跡が少しずつ地図になっていくようなことを感じている 開いてい…
長期滞在者
ドはドーナツのド!わたしが初めて一人で作ったおやつはドーナツだった。最初に、本からノートに作り方を書き出し、頭の中へ手順を入れる。溶かしバターを作り砂糖を混ぜていく。次に卵を入れる。ふるいにかけた小麦とベーキングパウダーを入れて生地を作っていく。どうやってあの◎を作ったのか、先に丸いガラスのコップで外縁くりぬき、後から赤い食卓塩の蓋を使い、真ん中に穴をくりぬいた。そして、油で揚げる。今ならネット環…
長期滞在者
京都の某老舗帆布カバン屋のショルダーバッグやトートバッグを、かれこれ二十数年使っている。もちろん、いくら頑丈といわれる帆布バッグでも、重くて堅いカメラを運ぶのだから消耗は激しく、すでにいくつも使いつぶしている。一番良く使うショルダーバッグはすでに四代目。バケツ型トートも初代がもう破壊寸前のズタボロで二代目に移行している。 一時期このカバン屋の製品が女性誌にとり上げられてブームが起き、注文してから半…
長期滞在者
物理は普遍である、と言えるのか。 地球上どこへ行っても物理法則は変わりません。その点では物理は普遍であると言えるでしょう。しかし現在まで続く近代物理は、17世紀の西ヨーロッパという特殊な時代、文化の元で生まれたと考えられています。歴史的に見ると、物理は決して同時的、多発的に発生したものではありません。 自分はこの事実にとても興味を惹かれるのです。 17世紀のヨーロッパ。 科学とあわい、占星術から物…
長期滞在者
2015年11月は色々あった。 やきものの仕事用のウェブサイトを作ってみた。 名刺も持っていないので、最低限これくらいはしなければ、 ということで作ったのだけど、こんなので役に立つのだろうか、 という危惧が無きにしも非ず。 友人が送ってくれたYouTubeのリンクで 水曜日のカンパネラを知る。 ハマりすぎて今でも毎日聞いている。 ほぼ中毒状態。 「ミツコ」 「マリー・アントワネット」 「ディアブロ…
長期滞在者
ひとりでいる時間が増え、本を読んだり、スマホをみたりという時間が増えた。縫い物や編み物をしたり、お掃除を今までより丁寧にしたり、ひとりでいる時間を充実させようとしている。自由だなと思うこともあるから、実のところ、自分が予想していたよりは寂しくは感じていないけれど、なにかが自分の人生からすっぽり失われてしあった感覚があって、それにはまだ慣れない。 ひとりで生活するということは、自分で物事に責任を…
長期滞在者
自分がどこにいるのか、わからなくなる。夕方の体育館で目覚めたとき、異国の街で酩酊してタクシーに運ばれているとき、昼下がりに談笑した友人たちが部屋から去ったとき、目の前を飛びまわる虫を叩くでもなく眺めているとき。そんな感覚に襲われることがあります。 自分と外界を隔てる境界は曖昧として、色や音や風や、誰かの嫉妬や自負や不安が、皮膚のすみずみから神経系をつたって全身にじわじわ染みこんでいく。推定37兆2…
長期滞在者
「自分の」写真に使い始めたのは四年ほど前からだが、仕事(営業写真館のカメラマン)の写真ではもう十年以上デジタルカメラを使っている。最初はフィルム用カメラと違って繊細そうなカメラ(高価でもあった)を怖怖使っていたが、実際使ってみると案外頑丈だし、別に今までのカメラと同等の扱い(要するに手荒)をしても問題はないことがわかってきた。 僕が今仕事で使っているカメラは二台ともに十年選手である。最新のカメラに…
長期滞在者
仕事場の近くに住んでいる衣料品関係の仕事をされている社長さんが、友人から頂いたという古い書物の1頁を切り取ったものを持って寄ってくださいました。フランス語が読めないのでなにが記されているのか分からないのですが、その方の仕事観に響くことばが綴られている詩の一節なのだそうです。書物にしては、分厚い用紙に活版ですられた本文は、それだけでも重厚な表情があり、周囲が茶色く焼けているのも時間の経過が感じられて…