長期滞在者
この夏は故郷の男木島(香川県高松市男木町)に2週間近く帰省しました。 いつもは盆正月の3泊くらいの滞在ですが、今回は実に20年ぶりぐらいの長期滞在です。 以前、アパートメントに書いた「砂を売る」はこの島での事を書いています。 僕が生まれた昭和52年、当時で400人程度いた島民も平成25年現在では180人まで減り 子どもも居なくなり、小・中学校学校は休校です。 あちこちの家は家主を失い、潰してコンク…
長期滞在者
ものすごく久しぶりの投稿です。7ヶ月ぶりです。 何年かに一度やってくる活字拒否期間がしばらく続いていて、読むのも書くのも全く気が進まない時期が続いています。 とは言いながら、そういう時期は大体生活がなんとなく茫漠としてくるのが常なので、 たまには文章にして、身も心も整理整頓する作業は必要であるなあ、とも思うのも確かなのです。 ぼくは一応ダンサーというか振付家というかパフォーマーというかが本業なのだ…
長期滞在者
フランスで私が、美しい、好もしい、と思える男子は、全員ホモセクシュアルなので困っています。 他の日本女子にきいても大抵が同じ感想です。 フランス語部分 「ごめん。もう行かなくちゃ。そういえば僕たち結婚するっていったっけ?」 「ねえ、はやく行こうよジュリアン。劇場に遅れちゃうよ」 広告や人気映画俳優などから推察する、フランスの「男らしい男」は、みんな無精髭を生やしており、類人猿ぽく、髭ばかりでなく体…
長期滞在者
先日、不思議な体験をした。とても暖かい日の夕方、夕食後にAndyさんとちかくの自販機まで歩いていった。比叡山の真上に細い三日月があがっていて、きれいだねなんて言いながら。ふたりで大好きなPepsi NEXを買って帰ろうと思ったのだけれど、ふと気になっていたことをAndyさんに聞いてみた。小学校へは、どの道を通っていたの?今度、一緒に歩いてみようか、ってそれで終わると思っていたのだけれど、いざ家に…
長期滞在者
高級魚「のどぐろ」として有名。関西圏ではあまり出回らないのか、それとも高級魚だから縁がなかったのか、大阪では存在を意識した記憶がない。東京に引っ越してから、その名が目につくようになった。3年ほど前、職場の近くの仕出し弁当屋さんのメニューに「焼き魚(のどぐろ)弁当」というのがあって、ハテこの「のどぐろ」というのはよく見るけどいったい何者なのか、と調べて「アカムツ」という深海の魚なのだと知った。(残念…
長期滞在者
満開の桜を見ていると思い出す。 まだ桜がパラパラと咲き始めた頃。 電話を受けて汗だくで走った西新宿の街。 祈りながらずっと俯いていた北九州行きの飛行機の中。 窓から見えるであろう懐かしい風景が歪んで全く見えなかった電車の中。 押し寄せるどうしようもない感情に子どもの頃のようにたくさん泣いたあの日。 父がこの世を去ってから丸一年が過ぎた。 もうあの頃のように悲しみに明け暮れることもない。 時間の経過…
長期滞在者
2013.03.11 10:00頃に目が覚める。 今日は久しぶりに部屋でゆっくりしようかと思っていたけれど、 ふと思い立って1人で海に行くことにした。 電車を乗り継いで、13:30くらいに茅ヶ崎に到着。 安かったので、途中の八百屋さんでイチゴを買う。 コンビニで買ったおにぎりは海に着くまでに食べてしまった。 1人だし、トンビこわいし。 着いてすぐに靴を脱ぐ。砂はあたたか。 もう砂のあ…
長期滞在者
今日は久々に、日が射している。ここしばらく、雨や雪で、空は濁った灰色のままだったから、このまぶしい暖かさが心地いい。冬場の雨、雪は寒さを増幅させるけれど、乾燥を和らげてくれるので嫌いではない。だけど、そのぐずぐずした天気が続くと、どうしても日の光が恋しくなるし、今日のような寒い日に、窓辺のあたたかな日差しを浴びていると、まだ来ぬ春への期待や、恋しさで胸が焦がれてしまうのも無理はない。 ふと、ブ…
長期滞在者
昨年末、新幹線でげろげろ酔いながら、家族の暮す群馬へと帰省した。群馬の土地を踏むのは、一年ぶりだった。まず、大学時代の恩師と品川で会ってから、混雑した電車に飛び込んだ。見慣れていたはずの東京の雑踏、人の群れ。何度利用しても好きになれない赤羽駅で乗り換えて、いつもの二倍、三倍の人でごったがえしていた本庄駅でむかえの車を待った。駅前のミスドがなくなっていた。 もう長く顔を見ていなかった父方の祖父母…
長期滞在者
今日、ぼくの中の止まってしまっていた時計の針が静かに、だけど確実に動き出した。 五年前のあの日、針が動きを止めたあの場所で。 ひさしぶりに行ったあの場所は、これから起こることへの期待とあたたかで楽しげな笑顔に溢れていた。 その瞬間はセンセーショナルに、ある意味予定調和的に始まった。 五年前と何も変わらない、でも五年間確かにいろいろな道を踏みしめてきた彼らがそこに立っていた。 懐かしいあの音、あの笑…
長期滞在者
へジナウドの息子さんが癌である、そういう話が飛び交ったのはある朝のことだ。事務員さんが話しているのを盗み聞きしてしまった学生がいて、その話は、乾いた土に降る雨のように、あっという間にクラス中に広まった。友達のいなかったわたしでさえ、それを耳にしていた。あまりにはやく広まったこの話が真実なのか、ただの噂なのか、誰しもが気にしてた。校長に問いつめてみよう、と言う者もいた。だけど、クラスのリーダー的な…
長期滞在者
人間には理解できないような不思議な生活史をもった生き物がたくさんいる。 ウナギはマリアナ海嶺の深い海で生まれたあと、ひらひらと葉っぱみたいな透明の体ではるばる日本(をはじめとする東南アジアの国々)まで、徐々に細いウナギの形に姿を変えながらやってくる。日本に着いたら川をさかのぼり、時には陸を移動して川から孤立した山中の沼にまで棲みついたりして5年〜10年。時期がくるとまた遥か遠いマリアナ海嶺へ、産卵…