長期滞在者
夜、ウォーキングしていると、目の前の暗がりを貧相に痩せ汚れた猫がゆっくり横切っていった。かなり老齢なのだろう、足どりに力がなかった。途中近づいていく僕にも気づいたようだが、警戒するでもなく、気だるげに一瞥をくれただけでそのまま暗がりに消えていく。 僕はそのときiPodの音楽をランダム選曲にしてイヤホンで聴きながら歩いていたのだが、その老猫が横切ったときたまたま流れていたのはセロニアス・モンクの「A…
長期滞在者
どうしようもない困難が続く日々だけど、ここには確かに幸せがある。 2021年4月25日。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、東京、大阪、兵庫、京都を対象に、3回目となる緊急事態宣言が出された。 2021年4月29日。この日は私の教え子同士の結婚式の日だった。アナウンスやフリートーク、ラジオの個人レッスンを担当してきたゲームキャスターの長谷川優貴くんと声優としての活動もしている長谷川紫音さんの結婚…
Do farmers in the dark
今回も日記になってしまいました。毎月すみません。今まで10回以上は書いたような事をまた書いてます。ではよろしくお願いします! ※グロテスクな描写や汚い表現があります。すみません (1)下らない事を言わせないで 今日はとっても晴れており、特にやる事もなく、奥さんと娘と買い物に行った。でも僕は欲しいものなんて何も無かった。あまり働かないからだ。 もっと働けば俄然何か欲しくなるに違いない。でも働かなかっ…
長期滞在者
振り返ってみると目の疲れにやられているこの数週間。 薬局に駆け込んで「目が痛い」と泣きついたら、タクシーの運転手が指名買いするという飲み薬を教えてもらった。最近は家でつい仕事をしすぎてしまい、体に悪影響が出ているひとが増えているそう。 何事にも良い面と悪い面がある。なるべく外に出ない生活を続けて一年以上経つけれど、誰かと直接話したときの温かさをしみじみと感じたり、マスクをしないでくしゃみをしている…
お直しカフェ
こんにちは。元気ですか。 あんまりにも久しぶりなので、この半年にちまちま進めたお直しの振り返りからいってみたいと思います。 ・靴下のダーニング 軍足のお直し。透けて大きな穴になっていたので、太めの毛糸で広範囲にダーニング。家族が増えて、穴が空いた靴下が出てくるペースもぐんと上がった。女性がファッションを兼ねて大事に選んで履く靴下と、男性が作業着の一部みたいに必要不可欠なものとして履いてる靴下じゃ、…
長期滞在者
先日香川県の地方都市に出張した。 高松から電車で1時間半ほどするそのエリアにはビジネスホテルが無く、民宿に泊まることにした。宿は寺院の裏手にあり、主にお遍路さんの際に利用される宿であった。その宿では、まるで1年分の疲れを洗い流せたかのような落ち着いた時間を過ごすことができた。 無事出張を終えた後、帰りに高松で一泊し、男木島で昼寝をし、夕方のフェリー便で実家の神戸まで帰った。 その後、神戸の実家で1…
長期滞在者
四十路を迎えたら、和装で日々を過ごしたい。 ――いつごろからから、私はぼんやりと夢に見ていた。 なぜ四十路なのか。20代の私には和装がとても敷居が高いものに思えた。30代の一時期、アルバイト先で習った記憶を頼りに着付け、和服を普段着にしていたのだが、身心の健康を喪失したことによりフェイドアウト。そして11年前、まだ乳児であった息子と共に、神奈川県から帰郷した当時の私が35歳、「まあ40を迎えるころ…
管理人だより
アパートメントの管理人であった鈴木悠平氏の加害行為について、把握してからアパートメントとしての対応を進めていますが(こちらをご確認ください)、こちらで管理人の小沼の考えを書かせていただきます。また、アパートメントの立ち上げ人であるアマヤドリ氏が、今回の件と、1年前にアパートメントのクラウドファンディングで起こったことについて書かれています(こちらをご確認ください)。こちらについても説明させていただ…
長期滞在者
JR大正駅から南へ南へひたすら南下する。4kmほど歩いて南恩加島という地名を通過すると、木津川運河の先に船町の製鋼所の威容が見えてくる。この風景が好きで、昔からよく大正区を歩いた。バスも走っているけれど、そういえば乗ったこともないな。製鋼所を見てまた大正駅に引き返すか、大運橋の交差点を東に曲がって地上33mの大ループ橋・千本松大橋を渡り、木津川を越えて南津守の方へ歩くか。最近は自転車で行くから大し…
長期滞在者
その色は、私が初めて見た色だった。 新月の夜、漆黒の夜空に点在する無数の星を見上げ続けていると、次第に星が遠ざかり、東の空にこれまで見たことがない、マゼンタのグラデーションが輝き始めた。 飛び出した。身体よりも先に、心が波打ち際を走っていた。目の前に広がる日本海はどこまでも澄んでいた。私が立っている足元は、翡翠が打ち寄せる浜辺だった。 あの日、私が見た、始まりの日の出。それは、全ての混沌から解放し…
長期滞在者
アイデアはいつも泉のように、こんこんと湧き出てくるもので、それは決して枯れることはない。ずっと昔、写真家のイモジン・カニンハムについての研究をしていた頃に、アメリカから寄せられた資料の中に入っていた言葉はとても印象的です。なぜなら彼女は大学生の頃に初めて写真機というものに出会い、キャンパスの裏山でセルフポートレートを撮って以来、93歳で亡くなる直前まで、70年以上にわたり常に新しいことにチャレンジ…
長期滞在者
春。あまりにも落ち着かないこの季節。私をふりまわす花粉。気圧。寒暖差。 よく眠り、散歩したときに出くわす花や草に癒やされて、美味しいものを誰かと食べるときにだけ、人間に戻る。 3月1日(月) 今井君が買ってくれた訳ありみかんを、みんなで「これ、食べれそうかな?」と選別しながら食べる。今週中に食べきらないと危なさそうだ。 3月2日(火) 今日はみんな家にいる日。壁の向こうで純君が仕事しているのがわか…