長期滞在者
昨年に続いて六本木のフォトイベントにブースを出店して、主にここ1、2年のうちに紹介した作品をたくさん展示しています。 毎年楽しみにされている方もいるのでしょうか、昨年よりも好みの作品を物色する姿に熱っぽさを感じます。 毎回、この手のブース展示に参加するときには、努めて従来のギャラリーらしさを意識的に否定することを心がけています。 規模の大小を問わず、いくつかのアートフェアなどに出かけて思うのは、そ…
Mais ou Menos
——————————– まちゃんへ 6月になり、梅雨入りで、じめじめした天気になってきました。 最近嬉しいことは、まちゃんといっしょにいる時間が増えたこと。 協力して二人で生活をつくっていること。 この二つです。 通勤で歩く道が同じ方向ということもあり、いっしょに行っ…
風景のある図鑑
「ケーニヒスベルクの橋の問題」 かつて、プロイセン王国の東にケーニヒスベルクという大きな街がありました。その街の中央にはプレーゲル川が複雑に流れており、たくさんの橋がかかっていました。ある日、ケーニヒスベルクの住人が考えました。 「このたくさんある橋の全てをそれぞれ一度だけ渡り、元の場所に戻ってくることができるだろうか?」 多くの人がこの問題を解決しようと様々な方法を試しましたが、全ての橋を渡りつ…
長期滞在者
「先を譲れるか」 電車に乗るときのことだ。朝、いや、朝でなく他の時間帯でも、渋谷、新宿、東京駅など、人が大きく交差する場所に行けば行くほどに、モヤっとする光景に出くわすことも多い。 プラットホーム、乗車を待ちかねて並ぶ人たちの中には、電車が来るやいなや、車内から出てくる人たちをお構いなしに、ターゲットの座席だけを目指して、なんとしてでも自分が座るべくお隣さんたちと小競り合いをはじめる。妙な心理戦が…
the power sink
こんばんは!今回も絵を載せます。ではよろしくお願いします! 手を重ねる男女 玉ねぎ 手と足と顔をそむける人 尖った突起がついた柔らかそうなものと、手を細かく動かすおじさん ダムと、気持ちの悪い蝶とティッシュと、あと僕の脳は小さい パックに並べられた種 馬鹿みたいな理由でとても悲しくてとても怖かったので…
長期滞在者
ヨーロッパというか、西洋の主だった国ではそろそろ年度末である。 もちろんベルギーも例外ではない。 公の機関がほとんど機能しなくなる夏休みに向けて、あれこれ忙しい時期だ。 ぼくが通っている美術アカデミーもそういうモードになってきた。 大の苦手であるお片づけの指令がお上から出たので、渋々従ってみたり、 釉薬を決めかねて溜まっている素焼き状態の作品に慌ただしく施釉したり、 その隙間になんとかもうちょっと…
はてなを浮かべる
すべてが等しく切り分けられるべき? どうでもいいことをどうでもいいと、思う工夫をしなければ 思考はたやすく連れていかれる? 向上心って一種の病気? 柔軟でいようとすることが僕を弱者たらしめている? 他人にばかり測られすぎて参ってるのかな? 自分のルールばかり逞しくなっていくのか?…
長期滞在者
きのうころしたいちまんびきのライオン いちまんびきのライオン いちまんびきのライオン きのうころしたいちまんびきのライオン きょうはなんびきころそうか (『子どもに聞かせる世界の民話』より 「ヤギとライオン」) 雨が降ると一般的には商売あがったりだが、学校の図書館は一転大賑わいとなる。授業の終わりのチャイムがなるやいなや、外で遊ぶことのできない子供らが、わんさわんさと押し寄せて、芋洗い状態になる。…
日本のヤバい女の子
【6月のヤバい女の子/夏服とヤバい女の子】 ●山姫 春が更け、衣替えの季節です。 夜でもぬるぬると重い、湿気に満ちた空気が透明な息苦しさになって体を喜ばせる。腕の内側を風がすり抜けていくのがおもしろい。 毎朝袖丈やら上着やらに悩んでしまってあわや遅刻の日々です。先週の日曜、衣装箪笥の中身をすっかり入れ替えました。 誰からも恐れられる女の子も夏の装いを楽しみにしているでしょうか。彼女たちも青い開襟シ…
長期滞在者
日々、同じ時間に起きて、同じ時間に家を出る。そんな生活が始まって、もうすぐで三週間になろうとしている。そうしたルーティンがある仕事は、実のところ数年ぶり。 先月の今頃は、今後の生活がどうなるのかまったくもって不確定だったから、毎日が不安で仕方がなかった。熊本の地震でかなりナイーブにもなっていたし、それにこの家はよく揺れる。首都高に近いし、地下には電車が走ってる。そんな、常に地面が揺れているような感…
長期滞在者
この連載のタイトルは「暁」と「人類学」という、二つの名詞からできています。どちらも何かと何かの「あいだ」に生じます。夜と朝のあいだに暁が現れるように、フィールドと母国のあいだ、生活経験と学問的概念のあいだ、他者と自己のあいだに人類学が発生する。 「あいだ」にあり続けることは、時に淋しく辛いことでもあります。不眠症者が朝の到来に怯えるように、フィールドで経験を積んだ人類学者ほど母国への適応に怯みます…
ギャラリー・カラバコ
ここはとあるアパートの一角にある、小さなギャラリー「カラバコ」。 白い壁に空っぽの額縁が無造作にならび、その下には題字だけが添えられています。 タイトルだけを頼りに、二人の作家が別々に文と絵を寄せ、2つが合わさった時に初めて作品が完成するのです。 01 桟橋 02 物差し 作品が届く時は何より楽しい瞬間なのですが、待っている2ヶ月間は、なかなか待ち遠しいものがありますねぇ。遠距離恋愛、みたいな。 …