日本のヤバい女の子
【6月のヤバい女の子/夏服とヤバい女の子】 ●山姫 春が更け、衣替えの季節です。 夜でもぬるぬると重い、湿気に満ちた空気が透明な息苦しさになって体を喜ばせる。腕の内側を風がすり抜けていくのがおもしろい。 毎朝袖丈やら上着やらに悩んでしまってあわや遅刻の日々です。先週の日曜、衣装箪笥の中身をすっかり入れ替えました。 誰からも恐れられる女の子も夏の装いを楽しみにしているでしょうか。彼女たちも青い開襟シ…
長期滞在者
日々、同じ時間に起きて、同じ時間に家を出る。そんな生活が始まって、もうすぐで三週間になろうとしている。そうしたルーティンがある仕事は、実のところ数年ぶり。 先月の今頃は、今後の生活がどうなるのかまったくもって不確定だったから、毎日が不安で仕方がなかった。熊本の地震でかなりナイーブにもなっていたし、それにこの家はよく揺れる。首都高に近いし、地下には電車が走ってる。そんな、常に地面が揺れているような感…
長期滞在者
この連載のタイトルは「暁」と「人類学」という、二つの名詞からできています。どちらも何かと何かの「あいだ」に生じます。夜と朝のあいだに暁が現れるように、フィールドと母国のあいだ、生活経験と学問的概念のあいだ、他者と自己のあいだに人類学が発生する。 「あいだ」にあり続けることは、時に淋しく辛いことでもあります。不眠症者が朝の到来に怯えるように、フィールドで経験を積んだ人類学者ほど母国への適応に怯みます…
ギャラリー・カラバコ
ここはとあるアパートの一角にある、小さなギャラリー「カラバコ」。 白い壁に空っぽの額縁が無造作にならび、その下には題字だけが添えられています。 タイトルだけを頼りに、二人の作家が別々に文と絵を寄せ、2つが合わさった時に初めて作品が完成するのです。 01 桟橋 02 物差し 作品が届く時は何より楽しい瞬間なのですが、待っている2ヶ月間は、なかなか待ち遠しいものがありますねぇ。遠距離恋愛、みたいな。 …
風景のある図鑑
「オイラー線」 レオンハルト・オイラー(1707-1783)は、これまでで最も多く、広範囲に成果を残した数学者と言われてます。その興味は数論、解析学、幾何学、そして物理学や天文学にまで及んでいました。彼の全集を作る計画は未だに完了しておらず、その全体は70巻にも登るだろうといわれています。 オイラーが残した数多くの成果の中に、シンプルで美しい一本の線があります。 その線を観察するためには、まず、任…
長期滞在者
何度も読みたい本があり、一度きりしか読まない本もある。 だからといって、何度も読みたい本が優れており、一度しか読まない本がダメな本だとは限らないところが不思議だ。 僕が今までに一番回数を読んだ本は、おそらく10回は読んでいるはずの、とあるノンフィクションライターのマルティニーク島への旅行記である。 マルティニークはカリやマラヴォワなどの音楽にまずハマって、その後、そこがラフカディオ・ハーン(小泉八…
長期滞在者
少し前に、都内である美術展を鑑賞した後に展覧会の感想を座談形式で記事にするお仕事がありまして、とても新鮮な体験で異なるジャンルを扱う方を交えての対話からこちらも得るものが多い機会をいただきました。収録される座談の部分は終わり、レコーダーも止まった後に、企画立案に関わる者同士、昨今の展覧会の広報宣伝の難しさについての話になりました。展覧会の観客動員数というのは、ぼくが主宰しているような小規模な会場に…
長期滞在者
5月はどうしたって、立ち尽くしてしまう。 この瞬間をよく見ていてくれたなと、思った。 ヨルダンでの日々は、フォトジャーナリストの佐藤慧さんがファインダーから見つめてくれていた。 私のアパートメントでの連載でも度々出す名前であり、近年多くの行動を共にしている慧さんだからこそ、 気付いてくれたのではないかと、勝手に思っている。 この写真が捉えていた瞬間の私は、葛藤していた。 そして、その葛藤は、その場…
Mais ou Menos
—————– Pちゃん 早いもので、もう東京に来てから一ヶ月が過ぎました。わたしも就職が決まって、一安心しています。とはいっても、大変なのはこれから。今までやったことない新しいことだから、緊張してはいるけれど、日々頑張っていこうと思います。入るのに苦労したけれど、新しい家にも慣れてきたしね。様々な大変さがあるけれど、わたしたち…
the power sink
こんばんは!今回も絵を載せる。ではよろしくお願いします! ココナッツか何かの重たい物を両足に乗せて今にも穴に落ちそうな人 とても退屈な部屋にいる 黒いつぶつぶを握りしめている人 黒い丸いものを見ている人 春、そよ風、割と暑い 女性の顔と変な人形 鉄橋とか川を描こうとするけどやっぱり上手く描けない &n…
長期滞在者
違和感を覚える瞬間は、多い。スマートフォンの画面を見てみる。そして、Facebookのアプリを開いてみると、そこにズラリと並んでいる、見知っている人の情報情報情報情報。こんなことが世の中で起こっているんだなぁ、と驚きや喜びがある反面、なんだろうこの投稿は…?とゾッとする投稿もある。 そこにある違和感は、「この人はこの投稿をなんのためにしてるんだろう?」という疑問から生まれる。おそらくで…
はてなを浮かべる
使わないって ほうっておくから 虫に食われてしまうのかな? 人に並んでいたいくせ、「ひとなみ」は嫌がるのか? 自覚してる道順ばかり なぞり直すのは永遠の謎? 放ったそばから変色していくみたいで だからもう黙っててもいい? 自分から溢れでるものに浸かり続けることは、やっぱり危険なんじゃないか? (と同時に…