風景のある図鑑
「オイラー線」 レオンハルト・オイラー(1707-1783)は、これまでで最も多く、広範囲に成果を残した数学者と言われてます。その興味は数論、解析学、幾何学、そして物理学や天文学にまで及んでいました。彼の全集を作る計画は未だに完了しておらず、その全体は70巻にも登るだろうといわれています。 オイラーが残した数多くの成果の中に、シンプルで美しい一本の線があります。 その線を観察するためには、まず、任…
長期滞在者
何度も読みたい本があり、一度きりしか読まない本もある。 だからといって、何度も読みたい本が優れており、一度しか読まない本がダメな本だとは限らないところが不思議だ。 僕が今までに一番回数を読んだ本は、おそらく10回は読んでいるはずの、とあるノンフィクションライターのマルティニーク島への旅行記である。 マルティニークはカリやマラヴォワなどの音楽にまずハマって、その後、そこがラフカディオ・ハーン(小泉八…
長期滞在者
少し前に、都内である美術展を鑑賞した後に展覧会の感想を座談形式で記事にするお仕事がありまして、とても新鮮な体験で異なるジャンルを扱う方を交えての対話からこちらも得るものが多い機会をいただきました。収録される座談の部分は終わり、レコーダーも止まった後に、企画立案に関わる者同士、昨今の展覧会の広報宣伝の難しさについての話になりました。展覧会の観客動員数というのは、ぼくが主宰しているような小規模な会場に…
長期滞在者
5月はどうしたって、立ち尽くしてしまう。 この瞬間をよく見ていてくれたなと、思った。 ヨルダンでの日々は、フォトジャーナリストの佐藤慧さんがファインダーから見つめてくれていた。 私のアパートメントでの連載でも度々出す名前であり、近年多くの行動を共にしている慧さんだからこそ、 気付いてくれたのではないかと、勝手に思っている。 この写真が捉えていた瞬間の私は、葛藤していた。 そして、その葛藤は、その場…
Mais ou Menos
—————– Pちゃん 早いもので、もう東京に来てから一ヶ月が過ぎました。わたしも就職が決まって、一安心しています。とはいっても、大変なのはこれから。今までやったことない新しいことだから、緊張してはいるけれど、日々頑張っていこうと思います。入るのに苦労したけれど、新しい家にも慣れてきたしね。様々な大変さがあるけれど、わたしたち…
the power sink
こんばんは!今回も絵を載せる。ではよろしくお願いします! ココナッツか何かの重たい物を両足に乗せて今にも穴に落ちそうな人 とても退屈な部屋にいる 黒いつぶつぶを握りしめている人 黒い丸いものを見ている人 春、そよ風、割と暑い 女性の顔と変な人形 鉄橋とか川を描こうとするけどやっぱり上手く描けない &n…
長期滞在者
違和感を覚える瞬間は、多い。スマートフォンの画面を見てみる。そして、Facebookのアプリを開いてみると、そこにズラリと並んでいる、見知っている人の情報情報情報情報。こんなことが世の中で起こっているんだなぁ、と驚きや喜びがある反面、なんだろうこの投稿は…?とゾッとする投稿もある。 そこにある違和感は、「この人はこの投稿をなんのためにしてるんだろう?」という疑問から生まれる。おそらくで…
はてなを浮かべる
使わないって ほうっておくから 虫に食われてしまうのかな? 人に並んでいたいくせ、「ひとなみ」は嫌がるのか? 自覚してる道順ばかり なぞり直すのは永遠の謎? 放ったそばから変色していくみたいで だからもう黙っててもいい? 自分から溢れでるものに浸かり続けることは、やっぱり危険なんじゃないか? (と同時に…
長期滞在者
たかしのたからもののこりぜんぶ2 けんちゃんいもらっただいやぶろっくすこし じぶんでつくったおこさまらんちのはた せんせいにもらったしゅりけん くりすますけーきについていたひいらぎ まだつかっていないふくろいりのようじ ごむのにんぎょう なべのつまみ はずれたばけん こたつのすいっち おかあさんがとってくれた4さいのあしがた (『たからものくらべ』より) 私はなんでも後生大事にとっておくので、家族…
長期滞在者
4月末にこれを書いているわけだけど、ブリュッセルは時々雪もちらつく荒れ模様。寒い。プリンスが亡くなったものだから、フェイスブックには「Sometimes It Snows in April」とコメントされた降雪動画がヨーロッパのあちこちからアップされている。 この曲が収録されたアルバム『パレード』が発売されたのは1986年の春だったらしい。ちょうど30年前(!)ぼくが大学に入学した年だ。確か、ステ…
日本のヤバい女の子
【5月のヤバい女の子/我慢とヤバい女の子】 ●飯喰わぬ嫁 ――――― 《飯喰わぬ嫁》 あるところに独身の男がいた。彼はとてもけちだったので、「結婚すると妻の食費がかかる。飯を食わない女がいたら結婚してもいい」と言ってずっとひとりで暮らしていた。 まわりの友達は(この調子では、こいつはずっと独り者だ)と思っていたが、意外にも彼はある日突然結婚した。何でも、ほんとうに飯を全然食わない女だという。 そん…
長期滞在者
東京に戻ってきて、すぐに熊本で地震が起きた。それから、気持ちが落ち着かない。自分の心の中にある断層がずれているような、足元が落ち着かない感じ。ぐらぐら、ぐらぐら。落ち着きどころが見つからない。実際、ずっとめまいがするような、船酔いの感覚が続いている。外の世界はこんなに綺麗なのに、こころの中は不安でいっぱいだ。 熊本の地震が起きる、ほんのすこし前に東京が震源の地震が起きたとき、心臓が口から飛び出して…