長期滞在者
例年のことながら春先は、学生や学校を卒業したてのフレッシュな作家さんたちが意欲的な展示を見せる時期です。 現役の学生がぼくたちのような会場を自分で確保して新しいステップを踏み出す、とても素晴らしいです。ぼくが大学生の頃では考えられないことです。だいたい20年以上前、東京にも大阪にも若い人たちが自由に作品発表が出来る場は殆どありませんでした。 ギャラリーは今よりもっと閉ざされた存在であったし、そもそ…
Mais ou Menos
_______________ 2015.2.4 (水) まちゃんへ 今年に入って何かに追い立てられるかのように映画を見ています。自分は小さい頃から本当に映画が好きなのだけれど、その熱をまた思い出したような感覚(実際忘れたことは一度もないが)に捉われています。映画を見て、その話の中に自分も入っていって、また現実に戻ってきて、また映画の世界へ入って、と繰り返しています。それが今、すごく心地良いです…
the power sink
こんばんは!自分はあまり意味のない絵を描いているので、ここに載せる。正直なことろ、意味のない事がすごく好きで、すごく魅力を感じるんだ。見ていただけると嬉しいです。では、よろしくお願いします! 瞑想してる人 なんだかハードなところだね ハードな物体 敬意の無い人達 穴から水が出てくる 体に丸い穴がたくさんあって、水が…
長期滞在者
【鉱物】 こう‐ぶつ〔クワウ‐〕 地殻中に存在する無生物で、均質な固体物質。 一定の物理的・化学的性質をもち、大部分は結晶質の無機物。 今月は、鉱物についての話をしようと思います。 「風景のある図鑑」(書籍が完成しました!)では主に客観的事実を書いていましたが、 ここで書くのはごく個人的な印象論です。 私は鉱物が好きで、博物館の売店やミネラルショーで気になったものを少しづつ買い集めていま…
はてなを浮かべる
こんなややこしいもの、これから一生かけて解いていけっていうの? どうしてここに書いてあることと違うんだ? 遠い国に住む人のことを、距離以外の何かが隔てている? 僕の中にいる僕と親友になれない? 誰かのハッピーが暴力に思えたりする。これって変かな? お母…
長期滞在者
「ガブリが みかんになったよー ガブリは、くいしんぼうで わるいこで ばかですよー おとうさんに しかられるー おかあさんに しかられるー こまったよー いいこになりますよー みかんいろなんていやだあ。まっしろくなりたいよー」 (『ガブリちゃん』より) 蔵王の麓から東京に越してきた冬、どこかの家の庭先にだいだい色の実がなっていて、それがみかんの仲間だと分かった時の驚きは今でも鮮明に覚えている。あら…
長期滞在者
ここのところのブリュッセルは摂氏零度を境に最低気温と最高気温の差が5度ほどという状況が続いている。 今までのものより1.5倍暖かいという最新ヒートテックで武装してはいても、寒気が染み入ってくる。寒い。 冬至から一ヶ月も経とうというのに、日の出が8時半ごろで日の入りは17時過ぎだ。 しかも日本から戻ってからというもの、ほとんどが雨もしくは雪か曇りで陽の光をみたのはほんの数時間じゃないかと思う。 つね…
長期滞在者
ほんの少し前まで、毎日電車に揺られながら仕事にむかうっていうことが、自分にはできないと思っていた。ずっと、ずっと、自分には普通の人が当たり前にやっていることができないんだって、なにかが欠落しているんだって思っていた。だけど、気づけば今では、無理だと思っていたことが自分の当たり前になっている。今の自分には、ほんの少し前までのわたしの中にあった劣等感がない。その劣等感がどこにいってしまったのかはわから…
長期滞在者
日日 さめてゆめみる 夢は幻覚であり 白日夢は妄想 蜃気楼は光の屈折現象 物語は空洞で 共有されない記憶域はすべからく錯覚で あるのだろうか 依怙贔屓された視覚におんぶにだっこ ないものねだりの聴覚に平行覚はお手上げ 怠慢な体性感覚に直情的な内臓感覚 統合と乖離をくりかえし 過ぎる よぎる 湧き上がる わきあがる 穿つ うがつ 翳る かげる 煌めく きらめく 導きだされる幾つかの世界を行き来して…
長期滞在者
年末にお節を作りました。いつもは帰省するし、テキトー(がんばらない)だったのですが、義理の母から作ってごらんあなたに全部任せるからと言われました。というわけで、年賀状を書きながら、しかも羊の目によりによって蛍光ピンクを使ったものだから印刷で抜けてしまい、白目になってしまった目を入れながらであります。 最初に作ったのは金柑の甘露煮。爪楊枝で突いてへそを取り、切れ目を入れて、二度煮こぼした後に、種を取…
長期滞在者
ひと頃、岡本綺堂の怪談集に夢中になった。 光文社文庫から出ているものを何冊か買ってきて読み出したら、これがベラボーに面白い。 だが面白いのとは別に、違和感も感じた。 「何これ、リライトものなの?」 文体が新しすぎるのである。 『半七捕物帳』を書いているという印象から維新より前の生まれかと思ったが、調べてみたら岡本綺堂は明治五年生まれだ。 江戸の人という思い込みもあったので余計になのかもしれないが、…
Mais ou Menos
_______________ 2015.1.14(水) まちゃんへ 明けました。まちゃんの家族が無事にブラジルに帰ることができて、ほっとしています。でもそれと同時に、ここにいっしょにいてくれるまちゃんを見て、少し不安な気持ちになることが、今まではありました。なんで不安になるかというと、自分なんかといっしょにいていいんだろうか、という思いがあったからです。でも、今は、そんなことも思わなくなりまし…