長期滞在者
先週末、6月27日から29日まで、アクセル・ヴェルヴォールト氏主催のインスピラトゥム・フェスティバルにダンサーというかパフォーマーとして参加した(アクセルは、ぼくの陶芸作品の顧客でもある)。作品名「Destroy the picture, painting the void」。ここ数年、日本の具体芸術に入れ籠んでいるアクセルの命名。 バロックアンサンブルのイルポモドーロの演奏するヴィヴァルディ『四…
風景のある図鑑
「ガラス : glass」 ガラスは完全な個体ではありません。 完全な個体とは、分子が規則正しくならんでいる結晶の状態のことです。 ガラスは「アモルファス構造」という、 液体を急激に冷やすことで凍結したような状態になっているのです。 (粘度が極上に高くなった状態とも言えます。) そのため、ガラスは長い時間をかけて、重力に従い液体のように流れます。 しかしそれは大変ゆっくりで、数千万年で数パーセント…
イルボンと小鳩ケンタの空席商会
◇出てくるひと(順不同・敬称略) イルボン(gallery yolcha車掌/詩演家):以下、車掌 小鳩ケンタ(詩人):以下、鳩 小澄源太 (アーティスト、プロダクト:yes!yes!非非 企画監修):以下、源太 福永奈津(プロダクト:yes!yes!非非 デザイナー):以下、奈津 ◇◆◇◆◇ 【2014年6月の相席】 2014年6月5~15日、小澄源太×イルボン「被んぶりあ紀」 yolcha内に…
長期滞在者
ワールドカップで盛りがる祖国の様子を、最近よくテレビで目にする。歩く人々の姿、生活、美しい風景。目にする様子は様々だけれど、その度に胸がきゅうと締め付けられ、苦しくなる。わたしがいない、あの国。わたしのいない、年月。言ってしまえば、わたしはいつだって不在だった。わたしは、いまでもあの国のほんの一面しか知らないでいる。 某テレビの特集で、ブラジル生まれのサッカー選手たちのドキュメンタリーを観た。…
長期滞在者
しばらくお休みを頂いて、みつきぶりに私は「わたし」のままで『アパートメント』に戻ってくることができました。おひさしぶりですとはじめまして、古林希望です。 ✦ 脳腫瘍の手術を終えてはや(私には十二分に長かったけど)ふたつきが過ぎました。 私は今手術を行ったT病院脳神経外科から転院してN病院リハビリテーション回復科というところにいます。 現実はなかなかドラマのようには行きませんね、権威の手によって手術…
虫の譜
夏、妻の実家の岡山に帰省すると、一日は鳥取の丈母の実家にまで足をのばす。途中、岡山県北の鏡野にある郷土料理の店に立ち寄るのが恒例になっている。風の通る座敷に座って、山里の風景を眺めながら昼食をとる。囲炉裏で焼かれた串刺しの山女、山菜の炊き合わせにカリリとした天ぷら、紅白のなます、そして発酵が進んで強烈に舌を縮ませる漬け物とごはん。三年間、変わることがない。 昨夏、ちょっとした事件があった。食事を終…
長期滞在者
先月の長い「話の枕」にうんざりした人も多いでしょうから、今月は簡潔にいきたいと思います。 先月あれだけの時間をかけて書いたことをおさらいするならば、要するに、「目の前のことがらを認識(=言語化)するために、人間の脳は膨大な量の視覚情報をスキャンするように取り込んではその大部分を捨てているらしい」ということです。(67字ですんじゃった!) 僕は人物の写真を撮る仕事をしているので、同じ被写体に何度もシ…
長期滞在者
何かを得るために努力しなければならないと、生まれた頃から世間は押し付けてきた。学校に入るための努力、大学に入るための努力、社会人になるための努力、写真家になるための努力、何か名前やステータスを得るために、この世界ではどうも努力しなければならないらしい。「努力」という漢字の中にさえ、僕を産んでくれた女の力が見える。 母ちゃん、ごめんね。30年間生きていて、僕が本当に幸せだと思ったことは僕の努力なしに…
長期滞在者
“white lies”-are not a problem 課題に渡された英字新聞には、そう書いてありました。 「白い嘘」は問題にはならない、と。 重大な出来事を前に、どの嘘が白くてどの嘘が黒いのか。 ぼくはわからなくて、混乱する。 「白い嘘」を日本語では 「嘘も方便」と言うらしいけれど。 あの人はどうして、「嘘」をついたのだろう。 それが白でも、もしかして黒でも。 「人…
the power sink
こんばんは。自分はなんでか無意味な絵が大好きで、今回もここに載せる。 今回少し気持ち悪い絵が多いので、申し訳ありません。ではよろしくお願いします! 僕はシートにつつまれている。地中に埋まっている。栄養が少し出ている。 花々 棒を持った恐ろしいおじさんがいるんだ。帽子をかぶっている 黒い、綿状の突起物をくわえている。触られると、とても痛い 横風が吹いているんだ 限界だ。本当にどうしようもないくらい限…