はてなを浮かべる
① たっぷりの水ではてなを茹でる 沸騰する前、生ぬるい水のうちから とぽん、と手のひらほどの大きさのはてなを沈みこませる。 慌てず騒がず、じっと見守る。 しばらくするとはてなは様子を見るように そうっと水面に顔を出し始める。 弱火でじっくり じんわり温めると はてなはやがて目を閉じる。 そうしたらもう大丈夫なので 私も一緒に目を閉じる。 ② なにかしらの粉末を加える はてなが十分に温まったら、棚か…
長期滞在者
おかあさんは、ぎゅっと くまきちをだきしめました。すると、「くるしい!」「ばかあ!」「とんちき!」「わるものお!」というこえが きこえてきたので、おかあさんはびっくりしました。 (『ありこのおつかい』より) 今日の読書の授業は昔話の紹介だ。読み聞かせも終わり、各々読む本を選んでいる。K君が書架の間を歩きながら、「パンツパンツパンツ……」と連呼している。別に「パンツ」と言いたいなら言えばいいのだ。い…
日本のヤバい女の子
【7月のヤバい女の子/口紅とヤバい女の子】 ●倩兮女 ――――― 《倩兮女(けらけら女)》 良い夜だった。男は一杯引っかけてほくほくと夜道を歩いていた。飲み歩いているうちに随分遅くなっていたらしく、辺りに人影はない。 最初は酔いのせいだと思った。誰もいないはずなのに、視線というか、気配というか、とにかく何かが「いる」ような感じがするのだ。 始めのうちは「昔はいくら飲んでもそんなことなかったのに俺も…
当番ノート 第27期
”こんばんは。定時制の時間にこの学校へ通っている者です。あなたの家でも女の子のお股についているアレはおちょんちょん、というんですね。なぜ性器の名前というのは男女に限らず、こんなにも間抜けた名前に甘んじているのでしょうか。やっぱり何か、コレとアレが結合すると子が産まれる、という生命の根源的事象を秘めた一物は、名前をつけるにはあまりに神々しく真に迫り過ぎるために、名前だけでも茶化さねば股に抱えるのはし…
長期滞在者
6月は見送ることの多い月だった。感情があっちにこっちに飛ばされて、流されて、正直すこし疲れ気味ではある。 長いこと闘病していた祖父が6月11日に亡くなった。アパートメントで連載している往復書簡に、祖父について書いた直後のことだ。実のところ、祖父が亡くなる数日前からちょくちょく両親と連絡をとってはいて、そろそろ本当に容態が良くないとは聞いていたし、心の準備はしておきなさいとは忠告されていた。覚悟は多…
当番ノート 第27期
朝起きたら、8時半。 映画が始まるのは、9時半。 家から映画館まで、自転車で15分。 (休みの日にまで、せかせか準備したくない) 来週の上映スケジュールを見る。 上映予定、午前中の一本のみ。 行けない。 大抵の場合、上映が午前中に一本のみの映画は見逃す。 休みの日に、朝起きられないからだ。 (起きるか否かもぞもぞしている間に寝てしまう) それでも、今回は、起きた。 急いで準備をして、観に行ったのは…
当番ノート 第27期
6月26日。 3か月ぶりに、長時間のグラフィックをしてきました。 人の持つ可能生が広がる瞬間を伝えていくメディアであるsoar(http://soar-world.com)。 そのsoarを支える人々のために開かれたspecial thanks eventでかいてきました。 この4月から、拠点も、時間の使い方も、変わったのでなかなかファシグラだけに時間を使えることは少なくなって、ちょっと寂しくもあ…
当番ノート 第27期
育ちなのか、仕事柄なのか、食材や料理の廃棄には人並み以上に抵抗があります。 お気づきの方がいらっしゃるかどうかわかりませんが、前回と同じ書き出しで始めてみました。 うーん、どう転がしていきましょうか・・・ どんなところに着地できるでしょう?(笑) さて「廃棄」といえば、飲食店にいる以上避けて通れないのが「食べ残し」です。 お店により程度はだいぶ違いますが、食べ残しによる廃棄はなかなかゼロにはなりま…
当番ノート 第27期
只今6月18日(土)の5:00、から書き始めようとしながら色々この連載に関連すること 見たり探したりしてると6:30。 時間が経つのはあっちゅう間、遅筆の僕はやや焦る、な Saturday morning 、 皆さまいかがお過ごしでしょうか。 と、書き出すも遅々として進まず、日付は変わり父の日の Sunday afternoon、 さぁそろそろお尻に火が点いて参りました。 今週は水木と単独東京出張…
当番ノート 第27期
忘れられない言葉があるの。 別に覚えていなくても人生に問題はなさそうだし、全然輝いていなくて、ましてや本当にそんなこと言われたのだっけか、頭の中の引き出しを引っ掻き回すと、言葉と一緒に、車内のヤニ臭い匂いも、バックミラーに下げられた、古いダッコちゃんストラップも、その揺れ方も、シートの肌触りも、隣で寝息を立てていた妹の顔、その濃い眉、全部、余計な感傷と混ぜこぜになって大事にしまわれていて、埃にもま…