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窓のことを思い出す。

Slow times

それでも、外にでてみたらいいじゃない。
窓があるから。

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一緒に行くから大丈夫だよ。

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saekimura

saekimura

アーティスト、イラストレーター。

Reviewed by
もうり ひとみ

一枚の絵から三枚の絵へ。承前の窓の内側から外をのぞく。そこは旅人が覗き込んだ窓。
ひとと小鳥と象の一行に連なったように感じていた自分が三枚目の引きの絵でふと、ああ、旅人だったと思い出した。
さんにんの影を見るのがうらやましくも幸福で、旅人である自分がここに立ち会っていることがたまらなくうれしい。
外側を思い出すきっかけに、爪のさきくらいにはなれただろうか。
このまま彼らの旅に一緒に行くこともできるのだろう。
雪を踏む音を聞いて歩けるのだろう。
けれどもたとえばどこかで、また別の窓に出会ったとき、手を振ることだってできるのだ。
さんにんもきっとそう。鳥は飛んでみたっていい。象は水を浴びていい。女の人は思い切り、知らない地の果物の香りを吸い込んでいい。

一緒にいたっていい。なんて素敵なこと。

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