当番ノート 第48期
今日は少し、音楽の細かい話は忘れて、私がインドで体験した不思議な出来事を共有したいと思う。 インドという国は、土と埃と、人びとの汗と熱気と、動物の糞尿と、あちこちで発せられる大小の音と、さまざまな食べ物のにおいと・・こうした生身の、非常に現世的なものがごっちゃになった世界である。 他方で、至極平凡な清掃人やリクシャーの運転手なんかが急にぽろっと、心に沁みる一言を発したり、奇跡としか呼べないような信…
当番ノート 第48期
インドの朝は、特別だ。 私がはじめてインドを訪れたのは2008年の冬、大学3年生のときのことだった。デリー、アーグラー、バナーラスをまわる一週間のツアー。 多くの旅行者と同じように、「インド臭い」「神聖な」ヒンドゥーの聖地、学問の都でもあるバナーラスに魅了され、いや、きっと他の旅行者たちよりも少しばかり魅了されすぎて、バナーラスについて卒論を書いてしまったほどだ(1)。 バナーラスには二泊したんだ…