風景のある図鑑 6

風景のある図鑑



「 宇宙の熱的死 」 : heat-death


heatdeath



世界滅亡のシナリオは、数多くのものが存在しています。

太陽が寿命を迎えれば、もちろん地球上の生態系は滅亡します。
膨張している世界が反転して収縮し、最終的にビックバンと同じ点になってしまうことも考えられています。
その中でもっとも緩慢な世界滅亡は、宇宙の熱的死(ヒートデス)でしょう。



熱力学の第二法則によると、世界は常に秩序から無秩序へ向かいます。

それは、水の中に熱した石を入れたとしても、両者は最終的に同じ温度になるということです。
同じ温度の石を水の中に入れて、熱せられた石と冷たい水に別れることは決してありません。

これがずっと続くなら、どうなるでしょう。

宇宙全体が同じ温度、同じエネルギー密度になります。
そこでは様々な活動が停止し、永久に静かな暗闇だけの世界になるでしょう。









「 ピュタゴラス学派 」 : pythagorean order



ピタゴラス


一般にピュタゴラスは偉大な数学者として知られています。
しかし、彼にとっての数学は宗教であり、魔術でもありました。
ピュタゴラスは秘密結社とも言える教団を作り、その教えを秘技として外部に漏らさないようにしていたのです。

ピュタゴラス学派は、万物の根源は数だと考えました。

月の満ち欠けや和音に規則性を見いだし、この世界は数の比によって秩序づけられていると考え、
その美しい調和を「ハルモニア」と呼びました。
「ハルモニア」は整数の比により構成されているので、宇宙すらも整数比によって表すことができると考えたのです。

しかし、ピュタゴラス学派の調和した世界に決定的な打撃を与えたのは、整数比に表すことのできない無理数の存在です。
皮肉にも、ピュタゴラス学派のシンボルであった五芒星に表れる黄金比も無理数でした。
2の平方根や黄金比の値が整数の比で表すことができないという発見は、その調和した世界を崩壊させてしまったのです。





しかし、本当にそうなのでしょうか?

現代の量子力学において、この世界は「素粒子」という基本単位から成り立っています。
質量、エネルギー、時間、すべては素粒子という単位の整数倍で測定されるのです。

これはピュタゴラスの夢見た、調和した数の世界であるとは言えないでしょうか。