風景のある図鑑 8

風景のある図鑑



「 麻 : cannabis 」


asa

麻は様々な表情を持つ植物です。

麻の繊維は、夏服の代表的な布として広く使われています。
種子は、唐辛子にも入れられているポピュラーな食品です。
皮を剥ぎ取った麻の茎は燃えやすく、オガラと呼ばれ盂蘭盆の迎え火やお切り火に使用されます。

まだ受粉していない雌花をシンセミアと言い、その先端から得られる樹脂にテトラヒドロカンナビノールという化学物質が含まれています。
これは強い多幸感、幻覚作用をもたらします。
雌花の樹脂を板状にしたものがハシシュ、若葉を刻んで煙草に混ぜたものがマリファナです。



中世ヨーロッパ、魔女のいた時代。
サバトに参加する魔女達は、空を飛ぶために「魔女の軟膏」を体中に塗っていたそうです。
伝えられている魔女の軟膏の中には、麻の花や、芥子の実(阿片の原料)が含まれています。
つまり、麻の花や芥子の実が持つ幻覚性と「空を飛ぶ」ことが密接な繋がりを持っていたと考えられるのです。

着る、食べる、死者を送る、空を飛ぶ、実に様々な顔を持っている植物なのです。





「 ケプラーの正多面体宇宙 : regular polyhedron cosmos 」

regular polyhedron cosmos

ケプラーは17世紀の数学者、天文学者です。

ケプラーは敬虔なプロテスタントで、牧師として生計を立てようと考えていました。
しかしケプラーの興味は、この宇宙はなぜこのようになっているのか、神がどんな意志を持ってこの宇宙を設計したのか、ということに移っていきました。

そして、惑星間の距離、周期、早さとの様々な関係を調べました。


ある日ケプラーは、木星と土星の合(同じ位置に見えること)を調べていました。
この合は連続して約240°離れて起こります。つまり、黄道上に印を付けると内接の正三角形に近い形となります。
その内接する三角形に内接する円を考えたとき、その円の半径と外側の円の半径の比は約2:1。
これは木星と土星の距離の比と非常に近くなります。

その発見から、ケプラーは幾何学的に太陽系を考える試みを始めました。

古代から、正多面体(すべての面が同じ正多角形で、すべての頂点に接する面の数が同じ多面体)はこの世に5種類しかないことが証明されていました。
そして、当時知られていた惑星の数は5つでした。
そこに注目したケプラーは、惑星軌道の天球にそれぞれの正多角形を内接した宇宙像を考えました 
そうすると、それぞれの惑星軌道の距離に非常に近くなり、しかも惑星が5つしかない説明にもなります。


この美しく調和した宇宙モデル。これこそがまさに神の計画だとケプラーは確信していたのです。