Shota Ogino ”Symbiosis On the Circles”, ”INSIDE OF INSIDE”

第7期(2013年2月-3月)

2ヶ月にわたり、自分の成り立ちやAsian Photo Artsがピックアップした4人の写真家を紹介してきました(2週書けませんでしたが…)。最後は私自身の思想や理想について ”Symbiosis on the Circle”, ”INSIDE OF INSIDE”をテーマに書きました。

Shota Ogino Solo Exhibition@inter-movement gallery 25th August,2011 ”Symbiosis On the Circles”

”Symbiosis On the Circles”
Symbiosisは「共生」を意味します。
「円、循環の上の共生」
これが私の人生におけるテーマです。
私が携わる仕事、行動、言動、立ち上げるプロジェクト、全てがこのテーマに深く関わっています。
様々な魅力的な才能たち、サービス、企業、チームが共存共栄かつ循環する生態系をどう編集できるか。
難儀ですが、いつも考えています。


「共生」を考えるときのお手本はいつも「自然界」です。特に森は私の先生。
私は巨木が立ち並ぶカナダのセコイア国立公園のような生態系が好きではありません。
ごく少数の大木と無数の種類の木々や草や苔、昆虫、動物など超多様な命が風、水、岩、火、空気などと共に目に見えない恐怖と戦いながら慎ましく共存している生態系が私の理想です。
そのため少数精鋭で皆それぞれが複数のチャンネルを持ち、自由にプロジェクトやジャンルを行き来出来る環境が理想で、それであれば何か一つ倒れても生きていくことが出来ます。大企業であれば一つ潰れたら一大事です。大勢の人々が路頭に迷うでしょう。自然界の多様性が教えてくれます。
森を見れば、時代の流れと共にどんな大企業もサービスもプロダクトも場所も永続することはあり得ないと分かります。
つまり死ぬ方法についても考えないといけないのです。しかもそれがただの死ではなく、倒れた木々や死体、死骸が土の養分になるのと同じように、次世代に栄養を与えられる死であるべきなのです。

この人生で私に何が出来るか、どこまで出来るか未知数ですが、アート、教育、デザイン、建築、ファッション、文学、映画といった文化の森、生態系を、普遍的な感情や事象や思想でタグ付けして、複数のパイプと場所を作り、世界の国々と様々なジャンルを自由に横断する人生を送ろうと考えています。
そして私に関係する人達と共に幸せになれたら、私は世界一の幸せ者で、心置きなく死ねます。
そこで初めて私の思い描く”Symbiosis On the Circles”を体現出来るからです。
道のりはまだまだ長いです。


”INSIDE OF INSIDE”
「いつも何かの中にいる。」
常に何かに包まれている。
幼いころから、その感覚を強く抱いています。

私達は海の中にいれば水に包まれ、地上にいれば空気に包まれています。
宇宙空間にいけば、宇宙成分に包まれるのでしょう。
わたしたちはいつも何かの中にいます。

アメリカ、マサチューセッツ出身の思想家、建築家バックミンスター・フラー(Richard Buckminster Fuller 1895-1983)が提唱した「宇宙船地球号」の概念に近い感覚です。地球は何層にも重なるプロテクターに守られ、宇宙を公転しながら自転しています。確かにまるで宇宙船のようです。
しかし私は「宇宙船に操縦席はなく、宇宙船は一種の生命体である」と捉えているので、その点で彼と相容れますが、
彼の思想は、誰もが容易に地球単位で物事を考えられる点でとても優れています。
その視点で見ると、地球の体内プログラム(生命プログラム)が見えてきます。

生命は何かを目的に「生きる=繋がる、死ぬ=生まれる」というスパイラルの中に多様な全有機物、全無機物、全成分が生と死を繰り返し循環して、回転して、振動して、波うって、渦巻いて、点滅しています。それはまるで稲妻のように輝き、音を立て、熱を発しながら、振動して、フラクタルに、無数に分裂して大地に消えていきます。
単体で存在しているものはなく、全てが何かと関係することで産まれ、生きていて、死んでいきます。
いつも多様で複雑かつシンプルです。
命を絶滅しないようにプログラムされており、単一化すれば容易に絶滅することを私達は無意識に細胞レベルで感じています。

何のためにこれほどまでに繋がることを強要されているのか、
何のために生まれて生きて死ぬのか、循環するのか、
「その理由を感じるため」に循環しているようです。

理由は知ろうとして知ることができません。
今を必死になって生きるしか方法はないんです。まっすぐ前を見て、少しずつ前に進んでいきたいと思います。
ではみなさん、循環している生態系のどこかでまたお会いしましょう。


『我々は何者でどこから来てどこへ行くのか』 Paul Gauguin