『古びた人生のはじまりに』

第5期(2012年10月-11月)

加齢臭と哀愁と
人生に対するある種のきっぱりとした諦めと
昨日飲んだ酒が抜けないあの口臭

長年着込んだ革の上着
箪笥から引っ張りだした一張羅
見比べて着るはやはりいつもの革の上着

くたくただが気に入っているのだ
この人生を

風呂敷に包んだ女房を
質屋に入れて預かり賃は宵の酒

スルメにありついたと一息つけば
とっくの昔に酒がない

預けるものがもうないが
気に入っているのだ
この人生を