『滴』

第5期(2012年10月-11月)

滴はなぜ落ちるのか

穿つため

道に落ちて弾くまで
その宿命を知らず
眺める人の心を穿つ

滴はなぜ落ちるのか

放つため

芽吹きの種がひらくまで
その役割を知らず
受け継がれる命を放つ

滴はなぜ悲しいのか

永遠ではないから

明日を含んだ一滴が
夜露になることはなく
その一瞬に奇跡があるから

滴はなぜ嬉しいのか

その奇跡が奇跡であるがゆえ