はじめまして、平吹正名です。

第14期(2014年4月-5月)

はじめまして、平吹正名(ヒラブキマサナ)と申します。本名です。役者をやっています。
寺島大輔くん(2014年2-3月コラム担当)の推薦で朝弘さん、森山さんを紹介してもらい、
今回のコラムを担当させてもらうことになりました。
この場を借りてお礼を言わせてもらいます。
2ヶ月という、短い間ですがどうぞ宜しくお願い致します。
皆様に何かを感じて頂けて、自分自身も何かの気付きを得られれば、最良のことに思います。

さて、今回コラムを書くにあたり、内容は自由でいいと言われました。
「自由」というものは、言わずもがな厄介なもので、途方に暮れております。
映画や舞台では「即興」でお芝居を組み立てて作品をつくっていくこともあるのですが、
別に本当に自由なわけではなく、状況や相手役や観ている人や空間から感じたりしてつくるものだと思っています。

他の入居者の方の言葉や作品とセッションするように、
それでいて、自分の心に正直に言葉を発することが出来ればと思います。
でも、これだ!というテーマが出るかもしれません。そうなったらそうなった自分を楽しみたいです。

それで、今回は、4月になり紛れもなく春なので、春の詩を書いてみました。
浮かれた気分はいつまで浮かれていていいのでしょう。
宜しければ、ご覧になってください。

  問題のない春の気分です       平吹正名

憧れの時間を取り戻すことも出来ないので、
今日も暗闇のなか小さなスプレーを片手に見回っています。
バックヤードはすぐには素顔を見せない。
異常はないか、異常はない。
撒き散らすだけが能じゃない。
失敗した伝言もちゃんと丸めてやってくれ。
歩く歩く。
いたかもしれない気配に新しい空気を送る受けとる。
流す流す。
あ、えーと、たぶん警備員さん。。
にこやかに。
いつもは嫌いな君にもたまには会いたいよ。
暗い闇を垂らして、下らない裸を抱いて、お尻には申し訳ない繊維をまとわりつかせて。
匂いは残酷だから簡単に愛が遠のいたりもする。
まとわないと不安な小人たち。
扉を開ける。
色には色になる前の名付けられない色がある。
例えば嘔吐と名付けてみようか。
嘔吐色。
新緑になったらまた会おう。
外はもう、当たり前のように春だった。
薄桃色の光に虚をついてビートルズ。
電子音にすると名曲も簡単に駄作に刷り変わる。
春の風は穏やかで優しくて冷たくて結局性格が悪い。
自分勝手な匂い。
きびすをかえす。
僕は僕の手を擦り合わせ、暗闇に光りも灯さずただ当てずっぽうに君の輪郭を描いてみる。
描いてみる。
描いてみる、だけだ。
僕はまだまだ見回らなければならない。
小さなスプレーを片手にね。
さっと振りかけたらさっと輪郭が帯びた。
やりすぎな付け睫のような触角。
今日は静かにおやすみなさい。
あれ、もう終わりですか?
きれいに手を洗って鏡を見る。
ごめん、今日爪切ってないんだ。

それでは、また来週宜しくお願い致します。

平吹正名