入居者名・記事名・タグで
検索できます。

2F/当番ノート

ちょっと迷惑をかける旅

当番ノート 第26期

今年から使い始めた「ほぼ日手帳」
ちょっと前だけど、2月8日のコトバ。
平了さん「田口君のヒッチハイク ON THE ROAD」から
―ヒッチハイクで人の車に乗せてもらうってことは
その人にちょっと迷惑をかけるということ。
その、「ちょっと迷惑をかける」ってじつは大きいことだと思うんです。―

確かに、確かに、その通りだなっておもった。
自分から人を頼って(いうならば迷惑をかけて)、
自分が行きたいところにいくだなんて、
そこから私の中での変化は生まれてきたのかもしれないって気づいた。
ヒッチハイクしようよって、吉永に誘われるまでは、
そんなこと私にはできなかった。

一人っ子だったからか、ひとに上手く頼るということが出来なくて、
(まあ、マイペースなので無意識のうちに色んな人に迷惑をかけていたとはおもうけど)
なーんか人との距離感をつかむのって難しいなあ、
自分のできる範囲でこなしちゃう方が楽だしいいやって思ってた時期があった。

けど、初めてヒッチハイクをしたとき「ちょっと迷惑をかける」ってことも
大切なのかもしれないって思った。

ヒッチハイクをして、
自分から人に頼って、ちょっと迷惑をかけるってことをしてみると、
この世の中がすんごく優しさに満ち溢れてるってことに気づけたの。
前回さゆりんが書いてくれてるように、
みんな初めましてのわたしたちにとっても優しくしてくれて。

わたし、この世界を見誤ってたってその時おもった。
家の中でテレビをつけて、ニュースを通して見える世界は
悪いニュースが多くて、
なんだこのご時世は。生きづらい。って思えることばかり。

けど、ちがった。
自分から外に出て、ちょっと迷惑をかけてでも
自分から人と関わろうってしてみると、
本当、優しさに満ち溢れてる。

「頑張ってね!!」「また必ず遊びにおいでね!!」
「何かあったらすぐに連絡しなさい」
「泊まるとこないならうち泊まってけばいいよ~」
「今回は乗せてあげれないけど、頑張ってね」
「行く予定はなかったけどそこ(私たちの目的地)まで行ってあげるよ」

本当に見ず知らずの私たちの存在を大切にして貰って。
なんでそこまでして下さるんだろう・・・
って思ってしまうほど、みなさん優しさでいっぱいだった。

そして、優しさってきっと連鎖的に続いていくのかもしれないなあっておもった。
わたし、ヒッチハイクやたからさがし。の旅の中でたくさんの人にであって、
自分の小ささに何度も気づかされた。

それまで、わたし本当に余裕のない人だった。
自分から人に迷惑をかけにいかないぶん、
人からのちょっとしたお願い事なんかに対してもあまり寛容になれてなくて。
近くの困っている人に対しても、
そこまで必死に助けなきゃって思える人間じゃなかった。

けどこの旅を通じて、沢山の人にお世話になることで、
心の底から変われている。
まだまだだけど、昔に比べたら
周りの人のことを思えるようになったし、
見えないところにいる人のことも意識を向けれるようになった。

本当、人にちょっと迷惑をかけてお世話になる経験ってとても大切だと思う。

だから、お金がなくて、携帯の充電もなくて、
知り合いには頼れない旅。
知らない人に自分から迷惑をかけにいかないと前に進めないし、帰ることもできない旅。

おすすめです。

たぶん、今の時代の日本て、
SNSもあるし、限られた知人とのコミュニティで満ち足りてるって思ってる人多いと思う。
もちろん近くの人を大切にすることってすごいことだし、大切なこと。

けどね、見ず知らずの人がくれる優しさは、
より心に染みるし、自分の見える世界も広がって、
自分が手を差し伸べる人の範囲が広がる。

その優しさの連鎖がどんどん広がっていけば、
きっとこの世の中もっともっと幸せになるんだろうなあ、
ってこの旅を通じて思った。

ちょっと迷惑をかける旅、
というか、「知らない人にお世話になる旅」始めてみませんか?

きっと新たな発見や感動があるとおもいます。

・・・そんな中、
4月14日におきた熊本の大地震。
大学4年間を過ごした熊本。
恩も大きいし、大好きな、思い入れの深い街。
幸いなことに私の知り合いの中には
大きな被害を受けた方はいませんでしたが、、
まさか熊本でこんなことが起きるなんて・・・と
今も心のそわそわが止まりません。

そして、今がこの優しさの連鎖を
繋げていく時なのかもしれないとも思っています。
微力ながらも協力させていただきます。

今も余震が続いているようで、
心配なことばかりですが。
一日も早い復興を願って。
皆さんの心の平穏が取り戻せる日が少しでも早く来ますように。
想いを込めて。

たからさがし。宮ヶ原真衣

たからさがし。

たからさがし。

熊本・鹿児島在住。田舎のOL2人。
何度も飛び出したヒッチハイクの旅でも。繰り返している日々のなかでも。
変わらずそこにある地域の「たから」を見つけて旅をするわたしたち。
一緒に「たから」を見つけましょう。どこへでも、呼んでください。

Reviewed by
kanako_mizojiri

熊本県からヒッチハイクをして色んな地域の「たからさがし」をする旅を続ける、たからさがし。のふたり。
今回の記事はヒッチハイクでちょっと迷惑をかける旅のすすめ。
ヒッチハイクを通して「はじめまして」の人たちとお話しし、お世話になって距離が縮まる。自分たちだけでは成せないことに手を貸してもらえたから、この世の中がすごく優しさに満ち溢れていると実感できたんだ、と。こうして、「ありがとう、嬉しかった、ジーンとした」の暖かい感動が重なって、今度はだれかに優しさをわたしていきたくなるんじゃないかな。そうやって優しいこころが連鎖的に広がっていく。

きっと、誰かに助けられたことのある人は、気づいてあげられる。例えばいつもの駅で、階段を使うには重たい荷物を持って立ちすくんでいる人に。ハンデがあって周りの人の配慮が必要な人に。揺れる電車内で、泣く赤ちゃんとカバンを抱えて立ってる母親たちの、不安な気持ちに。


九州で続く地震がどうかはやく収まりますように。被災地のみなさまに救援の手が行き届きますように。
そして大変な状況にある皆さんのことを想って、ひとりひとりが協力できますように。

トップへ戻る トップへ戻る トップへ戻る