古い友人に

第30期(2016年12月-2017年1月)

DSC_7863Photo by Shinya Rachi

12月から年明けにかけて、ある友人のための服を一着作った。

高校時代の同級生で、いわゆる幼馴染みのいない私にとって彼女はいちばん付き合いの長い友人だ。
ずっと新潟にいるのに昔から垢抜けていて、東京で出会ったどんな女性にも雰囲気が似ていない。
知り合ったばかりの頃すでに大人びた目をしていたので、なんでそんなに綺麗なんだいと思いながらほけーと眺めたことも一度や二度ではなかったと思う。

高校卒業後に彼女は新潟の大学へ、私は上京して専門学校へそれぞれ進学したので、会うのはたまにになった。
その度に変わらない彼女の様子に安心した。
私が帰省したときにも会ったけれど、東京へ遊びに来て泊まっていってくれたときもあった。
夜通し話す、なんてこともできそうだったけれどお互い体力が無いから、たいがいすぐ寝入っていた。

高校生の頃には、何を話していたのだっけ。
きっとおよそくだらない愚痴や笑い話ばかりだったね。あんまり憶えていないけど。

わりと何でも似合うだろうから、あまり持っていなさそうな色や素材にしよう。
最近会ったときには確かワンピースを好んで着ていた。
そんなことを思って生地を選んで、形を決めた。

彼女にはまだ写真など送っていなくてどんな服かも知らせていないから、気に入ってくれるといいなと少しそわそわしている。

衣装を着てパフォーマンスをする人だけでなく、私に服を作ってくれないか、買わせてほしい、と言ってくれる人がちらほらといて、最近とても嬉しい。
おかげさまで東京を離れるまでの間、ミシンを暇にさせることもなさそうだ。

専門学校生の頃は自分が着たいと思えるものしかほとんど作らなかったのだけど、衣装の仕事が楽しくなってくるとそれが高じてか、その人個人のために作るということにさらに飢えるようになった。

彼女にはもう耳にたこができそうなほど言っている、貴女のウエディングドレスは私が作るんだからねと。

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