雨夜の喫茶店の思考

第37期(2018年2月-3月)

雨の日の夜に、喫茶店に来る。

雨の日の喫茶店は、とても好き。
雨に濡れない安全なところにいることを感じられるし、元気でいなくても、罪悪感がないから。

喫茶店て少し不思議な場所だなと思う。
それぞれが1人の時間を過ごしに、人がいる場所に来る。一人一人観察したいけれど、あんまりじっとも見られないから、横目にちょっとずつ見る。

カフェオレボウルに入ったたっぷりのカフェオレが運ばれて来る。嬉しい。
喫茶店のコーヒーって、少し小さめだから、いつも少しだけ、心もとなくなってしまうのです。

カフェオレに砂糖を入れようと思って、蓋を開けたら、ザラメが宝石みたいだった。きゅん、として、きらん、とした。カフェオレの上の泡に砂糖をかけて、スプーンですくってジャリジャリ食べる。とてもおいしい。

昨日、包丁で切った人差し指が、たまにじくっと痛い。昨日の夜は、痛くて、時々目が覚めた。

湯葉の真空パックを切ろうとして、滑って指にグサッと包丁の先端が刺さった。
うっへ!という声がとっさに出た。
痛さよりも、衝撃と、やばい、これはやばいやつ、という恐怖の方が先に来た。

ささーっと水で洗って消毒して、絆創膏をする。血が滲んで来る。こわいから、ぐるぐる巻きにして、それ以上見ないことにした。

そのあと、多分、これはやばい、という意識のせいで、気持ちが悪くなって、血の気が引いて、動けなくなった。

採血の時にも、いつも、この状態になるんだけれど、血管迷走神経反射、という症状らしい。

採血でそうなった時には、貧血なのかと思っていたけれど、どうやら、身体がショックを受けて、あぁ、もうだめだあぁ〜、と勝手にメンヘラになっている、ということらしかった。

今朝病院に行ったら、診察の前に看護師さんが、「痛いね〜、痛いね〜」と言いながら傷口を洗ってくれた。

仕事中の怪我だったから、上司に伝えると、「それは、痛かったですね〜」と言ってくれた。

痛みに共感されると、なんだか落ち着く。
子どもみたいに甘えたくなって、懐かしい気持ちになった。

必要なところで、ちゃんと共感されると、とても安心できる。他にいろんなことができなくても、それができる大人になりたいな。
もう5年以上、子どもと関わるアルバイトをしている。バイト先の子どもたちに、早く会いたいなと思った。

ショーケースのケーキが、どうも、気になる。
イチゴがひときわ魅力的で、いつまででも見ていられそう。でもずっと見ているのも恥ずかしいから、ちょっとずつ、じっと見る。イチゴのミルクシフォンケーキを頼もうか、15分くらい悩んでいたけれど、もう夜も更けているし、うん、もうすぐ撮影もあるし、うん、我慢しよう、と思う。本当に食いしん坊で、困る。

窓外の雨を見ながら、昔、あめふりくまのこって童謡が、好きだったな、と思い出す。
こんな夜中に、一人で喫茶店にいるなんて、大人になったものだな。

雨は明日まで降るらしい。
今日は昼寝をたくさんしたけど、カフェオレをこんなに飲んでいるけれど、帰ったらまたちゃんと、眠れそうな気がする。

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