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Mais ou Menos #30 —裏でも表でもないわたしたちの往復書簡ー

Mais ou Menos

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まちゃんへ

先日、スキンヘッドにしました。今回はその経緯について書こうと思う。
一言でいうと、やりたかったから。それに尽きるんやけど、実行に移すまでには何年もかかった。自分の中に葛藤がいろいろあった。

髪の毛がすごく多い自分は、いつも髪の毛がうっとうしく、昔から坊主にしたいなーとよく考えていました。ただ、当時は親とも一緒に住んでいたし、周りの人にどう思われるか(言われるか)を気にして、そこまで踏み切れなかった。バリカンを買って自分の気に入る髪型に少しずつ少しずつ近づいていき、まあついに…って感じなんやけど…。

でも、今回スキンヘッドに踏み切れた大きな要因は3つあると思っていて、これらが欠けていたら、まだやっていなかったと思う。

まず、1つ目は、職場に認められているということ。私は職場でカミングアウトしているが、それに限らず、うちの職場の人は、あまり、そういったことを気にしない自由な雰囲気があって、やってもまあ大丈夫だろうという気持ちはあった。(前の職場では考えられないと思う。)

2つ目は、似合う服があるということ。自分は、修行僧や、修道士が着ている服が好きなんやけど、まちゃんがそういう服を作ってくれて、実際に自分に似合っててすごく気分がいい。出かけたい気持ちになる。これはもう本当にまちゃんに感謝している。

3つ目は、Yの死について。4月になると毎年思い出すのはYの死について。幼少期を共に過ごし、自分のことをずっと友達に思ってくれていたYは、この世を楽しめなかった。自分は明日死ぬかもしれないなら、やりたいことやろうという気持ちになる。

このような要因が全て混ざりつつ、さらに自分のやりたかった気持ちが背中を押し、今回のスキンヘッドとなりました。今のところ周りからの評判も良く(?)自分でもすごく気に入っている。
まちゃんの服を増々着たくなるこの髪型、これからの季節も楽しみです!

2017.4.9

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DEAR: ぴちゃん

かわいい かわいい お坊さん
ボンボン、ボンボン

変な鼻歌を作って歌っていたら、この曲がずっと頭にこだましています。わたしもようやく、新しいぴちゃんのヘアスタイルに慣れてきた。

いつか、ぴがスキンヘッドにすることは、わかっていたというか、そういう日がくるだろうなとは思っていたけれど、日本にいる間にできるようになるとは、実のところ思っていなかった。

覚悟を決めて、よし切るぞってなったとき、正直にいうとわたしも怖かった。バリカンを持つ手は震えたし、もし切ったあとで後悔したら、しばらくは大変だろうって。でも、残っていた髪の毛をバリカンで切り落としたら、案外余裕で、あ、こんなもんなんかって思ったし、ぴも、すごく晴れやかな顔してた。

自分が本当にやりたいことをやるって実のところ、すごく勇気がいることだと思っています。髪を短く切るとか、人の言葉に惑わされないとか、芯が強くないとなかなかできないことだ。やりたいことをやることは、同時に自分自身に責任をもつことでもある。

ぴが、やりたいことをやろうって、すごく高いハードルを軽々と飛び越えていく姿勢は、いつもそばで見ていて気持ちが良いものです。痛快。日々、昨日よりより幸せに、より自信を持って生きられるよう、模索しているところには、驚かされつつ、力づけられています。この先も、ぴがやりたいことをできるよう、少しでも支えになれたらと思っています。

マイザ

Maysa Tomikawa

Maysa Tomikawa

1986年ブラジル サンパウロ出身、東京在住。ブラジルと日本を行き来しながら生きる根無し草です。定住をこころから望む反面、実際には点々と拠点をかえています。一カ所に留まっていられないのかもしれません。

水を大量に飲んでしまう病気を患ってから、日々のwell-beingについて、考え続けています。

PQ

PQ

ゲームと映画が好きです。
国籍も性別もない。

Reviewed by
西尾 佳織

コンビニで見かけた雑誌のコピーにぎょっとした。
”アラサーになっても、仕事ができても、結婚しても、「ガール」な大人たちへ”
逆説の「ても」の息苦しさがすごい。

それから、40代向けの雑誌を開いてみたら、そこにも思わず吹いてしまう言葉がたくさんあった。
”露出過多で「何か狙ってる?」って思われるのだけは避けたい『あえて胸元を見せない余裕』で変わらず若々しい印象をキープする”
”『あなたは今の私にとってナンバーワンじゃない』から、デザイントップスを効かせたデニムカジュアルがちょうどいい”
ちなみにこの号の特集は、「その服で、元カレと会える?」

爆笑。

してから、いやー笑えないワーー!と思った。
この、男の人との関係において自分を位置付けるしかないと思い込んでいる感(思い込ませてくる感)は、なにゆえ?
40代になってもそんな駆け引きみたいなこと(しかも元カレ相手に)してる人を思って絶望する。
「そんなの私の勝手でしょ」と言われたとしても、私も勝手に絶望。

「やりたいことをやることは、同時に自分自身に責任を持つでもある」とまちゃんが言った。
私もそう思う。そして、やりたいことをやることは、他人を尊重することでもある。
ただ「やりたいんだもん!」で押し切るんじゃなく、きちんと実現しようと思ったら、この考えはどう受け取られるかな?やりたい理由を私は堂々と話せるか?とたくさん想像して、関係を深めることになると思うから。

そうやって人との間で一つひとつ、やりたいことを形にしていくことは、生きることの楽しみで、人を成熟させると思う。

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