よく分からないことについて考える
なにかを ふしぎだなあと思うと
閉じた手の隙間からひょこと顔を出す
よく分からないこと
あの人の言ってることの意味が分からなかった
なんで今自分がここにいるのか不思議に思う
昨日やったことは誰のためだったんだっけ
分かってた気がしたことも
簡単によく分からなくなったりする
何かを よく分かる ということはどういうことなんだろう
よく分かる と言える人は どうしてそれがよく分かったと判るんだろう
あの人はどうして自分のことを よく分かっていると思うのだろう
余白がこんなにあるのに
余白のことを想うと
ますます ますます世界がよく分からなくなる
こんなに複雑に 暗がりでもたれ合いながら編み込まれてきたのに
よく分かった という決着を なぜそんなにも早くつけなければならないのだろうか
時間がないから?
いそがしくて いそがしくて
なんでもすぐに 「よく分かって」しまう
分からなくていいのに
よく分かったりすることができる?
ものごとをよく分かったりすることが、自分にはとても恐ろしいのだと思う