あれれ
ここ、どこだろう
なんにもないのね
きゃあ
くも、だわ
私、くもがこわい
子ぐももいっぱいでてきた
くもの家族かもしれない
なんだか楽しそうにはねている
これからなにが始まるのかな
くもたちが、巣をはり始めた
くるくると、かっちりと
くるくる、かっちり、あんでいる
きれいなレースみたいな、くもの巣
おかしいな、ほんとにレースをあんでいるわ
まあ、きれいね
くもがレースをあみ終えた
おや、雨だ
ぽたぽた、ぱたぱた
ぽろん、ぽろん
すてきな音
雨だれのビーズと、くもの巣のレースでできた
だれも見たことのないような、美しいカーテン
あらわれた
カーテンがひらきます
シャララン、シャララン
向こうになにか見えてきた
なんでしょう、なんでしょう
木がいっぱい
森のなかだわ
鳥が
ゆっくりと、とんでくる
木の実をくわえてる
森のおく
宮殿も見えてきた
ちょうちょが
ようこそって言っているみたい
なかに入ってみよう
舞踏会ね
すてき、私もおどろう
うふふ、あっはは
たのしーい
まどの向こうには、なにがあるのかしら
いってみよう
あら、もう夜
蛾も、ひかりにつられておどってる
ひかってるわ、この蛾たち
羽根をふるわせて、ひかる粉をふるっている
私のうえに
きらきら、きらきら
ひかりは広がり
蛾はあつまり、どんどん大きくなるひかり
蛾たちは、みんな あつまって
ひかりが、はじけた
どうしよう
まぶしくって
よく、見えない
なんにも見えない…
あれれ
私、いったいなにしてたんだっけ
ここ、どこだろう
なんにもないのね