「ウェシカ・ピスキス:vesica piscis」
紙の上にコンパスの針を刺し、円を描きます。
コンパスをその大きさのままに、描いた円の円周上に針を刺し、もうひとつの円を描きます。
二つの円が重なる部分にアーモンドのような形ができます。
これが「ウェシカ・ピスキス」と呼ばれます。文字通りの意味は「魚の浮き袋」です。
「鉄:iron」
古代、鉄は空から降ってくるものでした。
鉄隕石は、鉄にわずかなニッケルが含まれている純粋な金属で、スライスするとウィドマンシュテッテン構造と呼ばれる独特の幾何学模様が現れます。
今から五千年ほど前に人類が地上にある鉄鉱石を精錬して純粋な鉄を取り出す方法を発見してからも、鉄は気まぐれに空から降ってきます。
西洋の錬金術では、当時知られていた5つの惑星が各種の金属と対応していると考えられており、赤い星、火星と対応していると考えられていた金属は鉄でした。
人間などの脊椎動物の血に含まれている鉄原子は酸素を運搬する役割を持っています。
脊椎動物の血の赤色と、鉄鉱石や鉄錆の赤色。どちらも酸化した鉄の色です。
(タコなどの無脊椎動物の血は鮮やかな青色をしていますが、これは銅に由来する色です。ちなみに銅を採掘する洞窟では胆礬や藍銅鉱などの青い鉱物が採れます。これも銅の色です。)