「 クエーサー : quasar 」
クエーサーとは、地球から最も遠くにあって、最も明るい物体です。
クエーサー(Quasar)という名称は、準恒星状天体(quasi-stellar object)を縮めたものです。
クエーサーが他の天体と明らかに違う点は、私達が知りうる限界、8億光年以上もの距離に存在しているのに、吐き出される大量の放射線によってその存在を知ることができる点です。星の内部で起こる核融合では、これほどのエネルギーを発生させることはできません。では、その正体はなんでしょう。
クエーサーは活動銀河(active galaxy)と呼ばれる、普通の銀河の構成要素とは別の何かからエネルギーが放出されている、特殊な銀河の核です。そしてそのエネルギー源は、大質量のブラックホールであると考えられているのです。なぜ、何もかも吸い込んでしまうブラックホールから大量のエネルギーが放出されているのでしょうか?
ブラックホールには、それを取り囲むように塵やガスが渦巻いています。それらがブラックホールに吸い込まれる時、塵とガスの渦が超高速で回転し、その摩擦によって非常に大きなエネルギーを生み出しているのです。
ここで気がつくのが、私たちが見ている8億光年先のクエーサーは8億年前の存在だということです。そして、8億光年より近い場所では、クエーサーは見つかっていません。ということは、8億年前にクエーサーという存在が「絶滅」してしまったということなのです。
光り輝くブラックホールは、一体どこへいってしまったのでしょうか?
「 円錐曲線 : conic curve 」
アイスクリームのコーンを、切れ味の鋭いナイフでふたつに切り分けることについて考えてみましょう。ナイフを入れる角度によって、様々な形の断面図ができるのが想像できるでしょう。そうして出来上がる曲線を、円錐曲線(onic curve)と呼びます。
円錐曲線は、大きく5種類に分けられます。
円錐の底面と平行に切った場合は 「円(circle)」。
円錐の母線(コーンの表面部分)をすべて通り、底面と垂直でない角度で切った場合は 「楕円(ellipse)」。
円錐の母線と平行に切った場合は 「放物線(parabola)」。
円錐の底面部分を通り、母線と平行でない角度で切った場合は 「双曲線(hyperbola)」。
円錐の頂点から、底面と垂直に切り落とした場合は「二直線」です。
円錐曲線は、様々な形で自然界に表われてきます。
斜めに投げたボールが落ちるまでに通る曲線は「放物線」です。
二つの石を同時に水面に投げると、二つの波紋が交わり「楕円」と「双曲線」の干渉模様ができます。
そして、さらに大きな視点でも現れてきます。17世紀、アイザック・ニュートンは『全ての天体は、惑星であれ彗星であれ月であれ、引力を及ぼす天体のまわりで「楕円」か「放物線」か「双曲線」に沿った動きをする』ことを証明しました。
円錐曲線は、宇宙を構成する曲線なのです。