当番ノート 第20期
フランスのニースでライブがありました。 フランスでの公演は3回目、ニースは初めてです。 現地の新聞でも紹介して頂きました~ 今回は、ライブの前にワークショップとプレゼンテーションもあって、まる1日 usaginingen day でした。 来てくれたみなさんとオーガナイズしてくれたみなさんに感謝です。 コターコ(映像機TA-COのミニバージョン)を使ってのワークショップ みんな楽しくおしゃべりした…
長期滞在者
先日、電車の中でとても印象に残る出来事があった。まだ小学校に入学したてのとても体の小さな女の子と、同じように小柄なその母が、電車の中でわたしの横に座った。女の子は終始泣いていて、学校に行きたくないと、ずっとぐずぐずしていた。母は大分高齢で、困り顔で優しくあやすように女の子を励ましていた。 母は次の駅で降りるそうで、学校までの残りの道のりは、女の子ひとり。仕事だから仕方ないと言いながら、母は何度も何…
当番ノート 第20期
出版業界では口約束で仕事が決まり、書き上げるまで原稿料がわからず、終わってみるまでそれが支払われるかどうかもわからない、という愚痴をよく耳にする。そんないいかげんな依頼人とは働きたくない、と思う人が大半だろう。まったく同感である。 何か物事を動かす際には必ず、どうにも動かせない「予算」がつきもので、その金額はいくら言葉を濁して隠しても、簡単には変わりようがない。どうせ変わらないものなら、先に開…
当番ノート 第20期
* 絵を描いている時見ている時に、途中の状態、描きかけの絵がすごくいいなって思うことがあります。 逆に完成すると、途中の方が良かったなということも多いです。 なんで描きかけの絵って、あんなにいいんだろう。 ぼくは何となくだけど、それは「ひとけ」なのではと感じています。 技術的な方法論はもちろん至らないことの方が多いですが、 自分が絵というものを選択するにあたって、よく考えることのひとつが 絵とはな…
当番ノート 第20期
京橋のb.TOKYOでの溝尻奏子展”Beginning of my journey”は昨日4/25を持ちまして無事に終了いたしました。 中にはこのアパートメントの記事を読んで見に来てくださった方もあり、嬉しかったです。 どうもありがとうございました。 さて、今日はイギリスから近く思い立ってすぐにいける芸術の都 パリのはなしを。 ロンドンからパリへは新幹線で約3時間半で移動。…
当番ノート 第20期
3-1 2003年6月8日 虫のことを周りの人が、ファーマーと呼んでいる。面と向かっては呼ばないで、それでいてそれと知れるようにやる遊びだ。 今日、一人の教師が虫に「あなたは大丈夫か?」と訊いたので、「大丈夫とはどういうことか?」と訊くと、答えなかった。あの教師と話すといつも、一体何を言いたくて話しているのか分からなくて、非常に混乱してしまう。相槌と笑顔に、自分の言葉と存在が塗り込め…
当番ノート 第20期
4月21日。無事に魚々座がオープンしました。ふぅ〜。 前夜は(いや、正確にはオープン前の夜)午前1時まで設営。 いやはや、ヒミングのバタバタは、何年やっても変わらない。 で、こちらが受付。おねーさんが番台に座っております。 ちっちゃいけど、この木札が目印。 で、これが入場券。大人一般300円なり。 お近くの市外のかた、なんどでも…
当番ノート 第20期
新作づくりをしています。 今年はどういう作品を作ろうかとふたりで話し合っている流れでエジプトに行くことになりました。 エジプト日記はこちらのブログをご覧ください。 旅から帰って来て、2月からは紆余曲折しながら制作をしています。 心というのは不思議なもので、目に見えない、音も匂いもない、感じることです。 旅の中で、いろんなことを感じ、いろんな種類の感情を経験しました。 この感じること、言葉では説明で…
当番ノート 第20期
* 個性は、作品を作る人が誰もが考えることだと思います。 これが自分の絵だ、と信じ続けることには物凄いエネルギーが宿っています。 反復され、洗練されて行く表現にはどんどん力が宿っていく。 絵を見たことがある人も増えて、広がりも生まれる。 しかし、物凄いエネルギーが宿っているということは、物凄いエネルギーがかかっていることでもあります。 ほんとうにこれで正しいのだろうか、自分の絵の表現はもっと違うと…
幻覚にカーテンコール
iii 柔らかい水 小指の爪ほどに小さく見える、はるか遠くの山から太陽が昇る頃。 インベーダーゲームの電子音のような声で話すおじさんに連れられて、私は「なんきょくじん」と呼ばれる人々の住む街へ到着した。 等間隔で行儀良く並んだ建物はどれも角砂糖そっくりの真っ白な立方体をしていて、角砂糖工場の中へ迷い込んだかのようだった。私はすぐに近くの建物の中へ案内された。 そこは小さな病院らしかった。待…
当番ノート 第20期
数年前のこと。新宿ゴールデン街で親しくなったある男友達が、偶然にも私の幼馴染と出会った話を聞かせてくれた。彼は私の小学生時代がどんなふうだったか尋ね、こう返されたそうだ。「幼い頃から憧れていた職業に就いて、夢を叶えたのはすごいと思う」……ちなみに私が小学生のときなりたかったものは考古学者と宇宙飛行士と灯台守である。遠足の班が一度同じになったかならないか程度のクラスメイトの話なんて本当にアテにならな…
長期滞在者
路上でぺたんこになった小動物を見つけた。ぺたんこすぎて何なのかもわからない。 子猫にしては尾骨が太すぎ長すぎだし、頭が小さすぎる気がする。そもそも轢かれて伸びてしまっているので生前のバランスがすでによくわからないのだが、猫でないならイタチの類ではないかと思う。死後かなり経つらしく、骨煎餅のようにカラカラに乾燥している。 少し前にも平らになった亀を見つけたばかりである。材質からして亀以外にないはずだ…