長期滞在者
「あれ? 前はもっとCDが積み重なっていたイメージが。」 「そうなの。だいぶ捨てたのよ。」 久しぶりに私の部屋を訪れた者からの言葉通り、 私の部屋から、多くのモノが無くなっていた。 深刻な理由はない。 時代の変化でCDを所有していなくても、これまでの自分の音楽のライブラリーをキープできる状態になった。 事実、私の周りのラジオDJ達からもだいぶCDを片付けたという話がよく聞かれる。 生活において、最…
当番ノート 第34期
久しぶりにやってしまった。それなりに高い買い物だったから、勢いが大事だと思って確認を怠った。 古着屋で良さげなスラックスを見つけて、試着して気に入って、ろくに値札の確認もせずにレジに直行した。黒か灰色のスラックスをしばらく探していたから、着てみた上で気に入るようなら、議論の余地はないだろうと思った。翌日、早速着て出かけて太陽光の下で見ると、どうも色味がある気がする。 不安になって「これ黒に見える?…
長期滞在者
縁あって、販売中のマンションのモデルルームの中に、ルーニィで取り扱っている作品飾らせて頂くことになりました。以前からこういうイベントを手がけてみたいと思いつつそのチャンスに恵まれなかったのですが、いつか必ず出来ると念じていたら、やっと廻ってきました。 モデルルームの中というのは、建物の間取りだけでなく、中に配置されている家具や調度品、つまりダイニングテーブルに置かれたワイングラスから、ベッドルーム…
Mais ou Menos
—————— まちゃんへ 9月になりました。9月は2人の誕生月でもあるので、特別です。 最近の体の調子はどうですか。 薬のコントロールも少しずつできているのかな、と見ていて思うんやけど、冬に向けて、ますますうちらは体調に気をつけていかんとあかんな。 夏に休まなかった分、先日、3日間休みがとれて、休んだのは、自分の中で大きな転機…
当番ノート 第34期
一点の傑作を作るには他人との摩擦が必要だ(前にも書いたけど)。 自分には想像もつかぬほどのスピードで走り続ける人に伴走、もしくは後塵を拝しながらでも走り、もしくは歩き続けるべきだ。少なくとも私にはそうだ。 前回は、東京の千川に移り棲み秋田の個展に向けて体制を整えたというところまで書いた。 秋田の個展は、またしても失敗であった。制作時間はたっぷりあった、実際たくさん作品ができた。それでも失敗した。原…
当番ノート 第34期
お決まりの胃腸炎で私はだいぶまいっている。 ネガティブな言葉しか出てこないし、まだ今日吐いた大量のパスタが鼻から出てきそうで気持ち悪くてたまらず、何を食べてもだめなので薬をのんで断食している。接種するのはポカリスエット。胃が痛い時は背中もとても痛くてたまらないのでどうにか緩和しようと断食状態でヨガに行ってますますフラフラになってもう私はダメだとのたうち回って、やゔぁい。忘れていたが今日はアパートメ…
当番ノート 第34期
同窓会は、いろいろ辛い。 大人になって集まってみると、よくもまぁこんなにジャンルの違う人たちとやってきたものだと思う。 久々に旧友と会うと、他人との境界線、”カテゴリの違い”を感じる。 (そしていつも飲んでいるメンバーが愛おしくなる。) 社会人になったら嫌いな人とは付き合わなくて良い。 会社勤めもしない私は、尊敬できない上司の言うことを聞いたり、 愚痴の多いお局の相手をするなんて人生の無駄遣いと思…
the power sink
表題:流れの強い大きな川を骨がバキバキになりながら上流に向かう人と、カーブで曲がりきれずに川に落ちる車。鳥さん魚さん達は元気そうね。 今回も絵を載せます。見て頂けると嬉しいです。では宜しくお願いします! 背後から木を登っていく三匹の芋虫 車がうまく描けない。以前から車をうまく描きたいと思っているけど、僕には無理だ。なんでうまく描けないか?車を描く事に時間を…
当番ノート 第34期
適切なお節介は伝染する 私は根っからの“お節介”だと思っています。幼い頃から基本まわりにお節介な人が多く、お節介の良さと危うさが大好きで、DNAにすり込まれているんじゃないかと思う程です。道に迷っていそうな人を見たら目で追い、目が合ったらすぐ声かけちゃうくらいお節介な感じです。聞こえが良く言うと、困った人を見ると放っておけない性格。首突っ込みたがりと思う人もいるかもしれませんが・・・ そんな私…
風景のある図鑑
「 エアロゾル : aerosol 」 私たちの周りにある空気は、エアロゾルという状態にあります。エアロゾルとは、気体中に固体または液体の微粒子がコロイド状(粒子が細かく散らばって溶けたように見える状態)に浮遊している状態の事です。 地球の大気には、雲、霧、花粉、宇宙から降ってくる宇宙塵、これらが空中に多数浮かんだ、エアロゾルです。 空が青く見えるのも、夕焼けが赤く見えるのも、エアロゾルのせいで…
当番ノート 第34期
海外からのスパムメールかと思ったら、名前が読めない。だいたいスパムってアメリカのインテリみたいな名前で来るもんだけど、と思って開けてみたら、ポーランド人からのメールだった。 「お宅の国の文字読めないから、アルファベットで住所教えてくれる?注文したCD届けたいんだけど」 ああ、あれ?確かにこないだダウンロードしたアルバムは「ハードコピーも郵送」って書いてあったっけ。でもこれまで改めてアルファベットの…
画家と7人の肖像
一生縮まらない距離がある。 本来なら年を重ねるごとに砕けていく感情が、彼の前では反比例になる。 歳を重ねるごとに明確になる距離感。私の人生の中で、これほど特異な対象はいないだろう。 Photo by Kazuki Hiro 7人の肖像を描くにあたり、方々に企画概要を伝え、承諾を得る過程には毎回心臓が握り潰される勇気を伴った。そうしてようやく6名がテーブルに着いた頃、最後の席に招いたのがBIGMAM…