当番ノート 第34期
一点の傑作を作るには、ある諦念の下で黙々と坦々と作業を積み重ねていくことが絶対不可欠だ。少なくとも私にはそうだ。 この自伝も半分が終わった。前回のテレビの大道具になったところで私はようやく30歳になった。 この第6話は申し訳ないけどあまり面白くない。なぜなら坦々としているから。坦々とようやく坦々と自分の作品に向き合えたのだ。 3ヶ月程、六本木のシェアハウスに居た、、と書くとオシャレなところにいたと…
当番ノート 第34期
私はごくたまにライブハウスへ行きます。 特にそこまでの音楽好きと言う訳ではないのですが、大きな音を、そしてソレをひねり出す人達を見るととても愉快であるからです。しかしライブハウスは苦手です。なぜでしょう。さあ、わかりません。ここは自分のいるべき場所ではないと思うのでしょうね。とにかく苦手なのでライブが終わったら一目散で出口へ向かうのが常です。 私の信用する友人がこんなことを言っていました。「ライブ…
当番ノート 第34期
おはようございます、こんな朝早くに会うなんて奇遇ですね。 ええ実は私、朝型なんですよ。 ほら、朝起きると得した気分になるじゃないですか。 だから私のアパートメントからお散歩に来たんです。 うす暗い朝って、冷凍庫を思い出しませんか。 ひんやりしてて、みんな黙りこくって。 それにしても、朝と夕の光って絶対に間違えないですよね。 太陽の角度は一緒で、西か東にいるかの違いなのに なんでこんなに違うんですか…
当番ノート 第34期
自称“元プロの保育児”な私の感覚 わが家は両親共働きなので、私は生後三ヶ月から保育園に通い。小学生も学童保育に通っていた生粋の保育児あがりでした。 今は普通に保育園に通う子どもが多くなってきましたが、どうやら私達兄弟が小さい頃は生後三ヶ月から保育園に入っている子は、そんなに多くはなかったらしいです。とは言え、逆に生後数ヶ月の子を預けられる施設も多いわけではなく、無認可保育園や認可保育園等…
長期滞在者
鷺系の鳥というのはあの優雅な姿形に反して実はかなり獰猛らしい。 白鷺の生態が気になって動画を検索したら、魚はもちろん、小鳥、 鴨の雛鳥、ねずみ、リス、さらには亀まで食らっている 白鷺やら青鷺の様子をあれこれ見ることができた。 というか、いきなり最初の動画で自らの周りを飛んでいる小鳥を 捕食する映像を見たときはかなりショックを受けた。 (閲覧注意) 小学生の頃、通学路の脇の用水路で大きな食用ガエルが…
当番ノート 第34期
国立新美術館でやっていたジャコメッティ展で「ヴェネツィアの女」を観た。 ジャコメッティの彫刻はこれまでにも何度か観たけれど、よくわからなかった。鰹節みたいな色の、細長い、寡黙な彫刻。煮詰めたら良い出汁が取れそうなんてぐらいの見方しかできなかった。実存主義がどうとかいう、難解な注釈を読解できなければ正体を知れない。そういう類いの芸術だと思っていた。 「試みること、それが全てだ」 回顧展という形でジャ…
当番ノート 第34期
一点の傑作を作るには、同じ失敗を何度でも繰り返す事が必要だ、性懲りもなく。少なくとも私には。 2008年春、私は六本木で路頭に迷っていた。文字通り路頭にて生き方について悩んでいた、こらからどうしようかと。六本木のあれは確か、よく思い出せないのだけど、オシャレな場所で、近未来な所で、芝生がキレイで車が行き交う道路が近くにあって車道と芝生の間の歩道で、私はこれからどうしようか迷って、一歩も動けず文字通…