当番ノート 第58期
夏休み前に、信じられないくらいドラマチックな日があった。 早朝からのアルバイトがあった日。人生で二度と経験する事の無い(というかしたくない)ほどの靴擦れを起こし、家の鍵とSuicaを一度に失くした。 鍵の紛失には家を出る段階で気づき、Suicaの紛失には改札を通る段階で気づいたため、乗車時には既に重箱状で絶望していた。しかも足もめちゃくちゃ痛いのである!絶望!絶望! 駅から出てバイト先に向かう道中…
長期滞在者
友人からお勧めされた本をここ2週間ほど少しずつ読んでいる。 いまから20年ほど前のSNSがまだ発達していない時代に、ブログで日々の心情を書き綴っていた方の文章。 ブログや日記は1日ずつ読むには興味深いが、それが1冊の本となったとき、統一感と重みが消え失せて、わざわざ本で読まなくてもええかという気分になったことがこれまで何度かあったので少し抵抗があったのだが、友人を信じて読み始めた。 結末は先に耳に…
長期滞在者
オンラインでの仕事は増えていたが、シンポジウムの司会をオンラインで担当するのは初めてだった。 2021年8月22日。オンラインで開催された日本航航医学会学術集会での「コロナ禍でも留学・国際交流をあきらめない!」と題したシンポジウムで司会を務めた。 COVID-19の影響で海外への渡航が難しい現在において、留学や国際交流をどのように継続していくか、未来へ向けてどう向き合っていくか。大学の現状、日本語…
当番ノート 第58期
一度完成させた作品を修正する事は、作品を完成させる事より難しい。 少なくとも私にとってはそう。 私は見直しがとても苦手だ。勢いでばーっと作品をつくる癖があるから、それを見直して削って書き変えて……という行為が非常に非常に不得意。 一度カタチにした言葉の並びを消すのが、もったいなく思えてしまうのが原因の一つだろう。要するにケチなのだ。 これは私の弱点である。 その文字列を思いつくまでにかけた思考時間…
長期滞在者
ここ、アパートメントで文章を書き始めてから8年半。当番ノート(第7期)時代から数えて、数え間違いでなければ、今回が100回目の文章になります(古林希望さんとのコラボ企画「ギャラリー・カラバコ」の20回を除く)。どれくらいの人が読んでくれているのかもわからないのですが、管理人チームからも別にやめろとも言われないので、図々しくも居座っています。すみませんね。 すみませんね、なんて殊勝なふりして、一つだ…
当番ノート 第58期
遠いものの連結、という言葉がある。 以前大学の講義内で得た知識なのだが、近しいものどうしを繋ぎ合わせるのではなく、離れたイメージを持つものどうしの単語が組み合わさった時に、その言葉と言葉の距離のぶんだけ、想像力をかきたてる余地がうまれる、という考え方のことを、「遠いものの連結」と呼ぶらしい(厳密には間違っているのかもしれないが、今の私はそういう説明しかできない)のだ。 例えるならば、 あかい リン…
長期滞在者
日記を書こうと思ったとき、そこにはひっそりと死の予感があった。20代後半のある時期だった。私は周囲と同じように年を重ねていけないと思っていた。検査してもどこも悪いところはないのに、体が言うことを聞かず、唐突に寝込むことがしばしばあった。どうして、とひとり悩んでいた。 無人島に漂着した人間が生き延びた日数を石に削るような思いで、自分はこんなふうに過ごしたのだと書いていた。そのうち、一日を過ごせること…
Do farmers in the dark
こんばんは。今回も何かの嫌がらせみたいな文章を書いてしまったので、すみません。ネチネチしているし、真面目な人が書いたみたいな文章になってしまい申し訳ないです。ではよろしくお願いします! ※クソ、だとか汚い表現がたくさん含まれています。 ※文中の「私」はノンフィクションですが、私以外の登場人物などは全員フィクションです。 私は勤務先のお昼休憩に食堂にて、水族館の亀の水槽の味のするラーメンを食べていた…
当番ノート 第58期
文字ばかり書いている。 文字ばかり書いているのに書かなければいけない文字が一向に減らない夏休みが、もうじき終わる。 私はよく、書きたいものを思いつくための散歩へ行くのだが、近ごろはアスファルトの上に蝉の死骸がごろごろ落ちているので季節の変わり目を感じざるを得ない。 この散歩はいわば現実逃避だ。自分に思考力・想像力が無いという現実から足を動かし逃避するという意味で。 今週あたりで当番ノートの期間も折…