長期滞在者
年末年始は寝正月だった。 昨年の秋から出張で長野と横浜を行き来する日々が続き、気温差にやられたのか、不規則な働き方で体調のコントロールが効かなくなったのか、もしくは仕事の決着が着かないまま年末を迎えたからか、思い当たる節はいくつもある。 年末に身体の異変に気付いた時、これは寝正月になるなと思い、それはそれで生活の中で一呼吸を置けるとどこか安堵した気持ちにもなった。 部屋には、図書館で借りていた本が…
長期滞在者
カラスが好きなので、カラスに関する著作の多い動物学者・松原始の本をよく読む。まずは年末読んでいた彼の本の中で見つけた「いい話」から紹介しよう。といってもカラスの話ではなく、ミツユビナマケモノの話なのである。ちなみに僕はナマケモノも大好きだ。神戸どうぶつ王国(旧花鳥園)という動物園があって、そこでは(ミツユビではないが)フタユビナマケモノを、かなり間近で見られる。勇気を出せば鼻先数センチにでも寄れる…
Do farmers in the dark
チャリスがやってくる。それはまるでずぶ濡れのハイソックスのように。(3) 前回までのあらすじ 両手に照り焼きのチキンレッグを持ちローラースケートを履いた純粋無垢な紳士クァンツ木村(カンツ木村)は駅のロータリーで剛之ヒストリアン天狗キヨポン(ゴウノヒストリアンてんぐきよぽん)を待っていた。背中には「ほら穴、カンツ」と書かれた旗を背負っていたのだが、その運命やいかに… —…