はじめまして下平です。出身は神奈川ですが、今は作品制作をするため、三重県伊勢市に住んでます。伊勢に何故来たかというと以前から撮影していた「星霜連関」という民俗芸能や祭りを中心にしているシリーズを今度は伊勢を拠点に西日本の撮影しようというのが主な目的です。この場所を借りて、現在から過去へと時間を流し、現在の自分の写真の源流へと辿るものになればと考えています。
伊勢に来て半年が過ぎ、いくつかの祭りを撮影しました。伊勢といえば言わずと知れた伊勢神宮がありますが、来年は20年に一度の式年遷宮が行われるため、徐々に町の雰囲気も遷宮に向かい意識が集中してきている様に感じます。このシリーズの過去5年間は関東地方の祭りを撮影していました。僕の地元には何百年も続く祭りはありませんでしたが、伊勢では家の近所でやっている小さな祭りが何百年も続くものだと人に教わり、実際にその祭りを見た時には何かしらぞくっとくるものがありました。祭りが現在まで続いているという事はそこにエネルギーが働き、何世代にも渡って何百何千という人間が関わり続けて今に伝わります。しかし世代を渡る事で何かしらの断絶があったり、人が変わる事で形が変わり初期の頃とは変わっていたとしても、そこに奉る対象がいるという意識があるという事が大事なのではないかと思っています。
僕は祭りだけを撮影する写真家ではないので、そこまで祭りを語る事は出来ませんが、主なシリーズとして祭りを撮影する様になってから、目に見える物事を通してその奥にあるエネルギーを感じる様につとめています。
という訳で短い間ですが、どうぞよろしくお願いします。